[MLB]
杉浦大介「“ミラクル・メッツ”、復活の条件」

~松坂大輔も属するチーム再建の行方~
スポーツコミュニケーションズ

問われる”マネーボールの父”の手腕

「もしも今季にチャンスがないと思ったら、グランダーソンに6000万ドルも払っていないし、コローンも獲得していない。ハービーが元気ならコローンを狙ってなかったかもしれないが、それでも結論を言えば、私たちは多くの金をつぎ込んだんだ。ヤンキースほどではないが、他の多くのチームには負けていない。目標は2014年に強いメッツを作ることだ」

ウィルポンオーナーと話し込むハービー。今年は我慢の1年になる。Photo By Gemini Keez

 2月上旬にWFANのラジオ番組に出演した際、アルダーソンGMはそう語っていた。“マネーボールの父”と呼ばれる敏腕GMは、その公約通り、今後もファンに夢を見させるだけのロースターを整えていけるか。

 細かく見ていくとやはり現時点での駒不足は否めないが、伝統的に期待度が低い方が良いプレーをする傾向にあるチーム。未知数ながら好素材が揃ったロースターが好スタートを切り、勢いに乗った学生チームのようなケミストリーが生まれれば面白くなる。シーズン中盤までプレーオフ争いにとどまれば、今季のメッツは地元ではかなりの話題を集めるに違いない。

 そのために必要なのは、生え抜きホープの成長を見守る我慢強さと、シーズン中にでも思い切って新戦力を獲得する勇気。ほとんど正反対の作業をバランスよく遂行するのは至難の業だが、不可能ではない。そして……根拠のない発言は少ないGMが珍しく自信を示したことで、“ミラクル・メッツ”の復活を期待し始めているファンも少なくないはずなのである。

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを 中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞』など多数の 媒体に記事、コラムを寄稿している。
>>オフィシャルサイト「スポーツ見聞録 in NY」
>>twitter