古賀茂明 日本再生のために--「厚生労働省の職業訓練事業めぐる入札疑惑の本質」「建設バブルで成長の芽を摘むアベノミクスの失敗」

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジンvol084---日本再生のためにより
古賀 茂明 プロフィール

建設バブルで成長の芽を摘むアベノミクスの失敗

●土木建設工事はすでに限界越え

1月末に報道された話だが、2013年の大手建設会社48社の受注額が前年比で21%も増えた。民間が22%増加で、官公需も20%増加だったという。東北復興需要の上に、安倍政権になってから、アベノミクス第二の矢として、公共事業の壮大なバラマキが始まった。「国土強靭化」や「消費税対策」という大義名分も加わり、昨年来、日本中が建設バブルに沸いている。

しかし、建設関連業界の状況はといえば、人手不足による人件費の高騰、供給力不足と円安に伴う資材費の高騰、輸送能力の限界などが加わり、工事の遅れや入札不調が続出している。具体的に見ると、その状況を実感することができる。

まず、人件費だ。建設作業分野の有効求人倍率はめちゃめちゃ高い。躯体工事職で1月の有効求人倍率が7.32倍だ。それでも若者は嫌がるため、賃金は大幅に上昇している。

建設工事としてすぐに頭に浮かぶ鉄筋コンクリートの建物。例えば、小学校の校舎が典型だが、鉄筋工不足で工事ができない。できたとしても、鉄筋工事の工事費は10年比で27%上昇しているといわれる。

鉄筋工事ができないとなると、誰でも思いつくのが、鉄骨工事に切り替えること。この転換需要が通常の需要に上乗せされて、鉄骨加工会社がパンクしてしまった。加工能力は年間520万トンと言われていたのに、13年度の需要はこれを30万トン上回る見込みだという。鉄骨工事は鉄筋よりも工期は短いがコストは高い。ただでさえ、高いのがさらに高騰して、リーマン直後に比べて5割近く高いという。

建設と言えば、もうひとつ、忘れてはならないのがセメントだ。セメント出荷は12ヶ月連続前年を上回り、限界を超えている。生コン原料の不足で供給がままならない。さらに、生コン原料の輸送力不足も追い討ちをかける。セメントはもちろん砂利、砂の運搬用の船が足りない。運搬船は、バブル崩壊後の建設不況で、20年で4割も減少したところに建設バブル到来というのだから、足りないのは当たり前だ。しかし、このバブルがいつまで続くかわからないので、輸送船への積極的投資には大手でさえかなり慎重だ。

陸上でも状況は同じこと。ダンプカーの運転手が不足しているが、すぐに増やせない。もちろん、輸送コストは上昇する。

「ぼろ儲け」と言われた建設業界でも、思わぬコストアップで悲鳴が上がっている。大林組と鹿島建設のような巨大ゼネコンでも、2013年4~12月期が、増収だが減益という結果になった。前述した小学校などに加えて深刻なのは、保育園の建設が遅れて働く母親たちを直撃する「被害」が出ていることだ。(・・・以下略)

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジンvol084(2014年3月14配信)より