第3弾! あなたは何も知らずに食べますか 美味すぎる食い物には「ウラ」がある

果物にホルモン剤投与で甘みを倍増、切り身魚には旨み調味料を注入
週刊現代 プロフィール

正解は、ふぐ。安価な材料から、高級魚のだしもどきができるという。このだしで雑炊を作れば、ふぐちりの締めでしか味わえないふぐ雑炊を超えるほどの味が簡単に出来上がる。

「このふぐのだしもどきで作った雑炊を、材料を明かさずに食べてもらったところ、ほとんどの人が本物だと勘違いします。成分を分析すると、本物のふぐ雑炊とほぼ同じ値が出るからです」(前出・鈴木氏)

ちなみに、ゆで卵の黄身とはちみつで栗の味が、牛乳とたくあんの汁でコーンポタージュの味が再現できるという。これも科学的な分析から本物に近い味のレシピとして考え出されたものだ。

美味すぎる食品を作るためには、「味」だけでなく、もう一つ、欠かせない要素がある。それは「香り」。

生のジャガイモとりんごを、目を閉じて鼻をつまんで食べると同じ物に感じるという。このように、味を感じる際に匂いというものは重要となる。この香りを創る技術も著しい進歩を遂げており、「香料だけでどんな香りも再現できるというのが実情」(前出・郡司氏)だ。

老舗の香料会社、塩野香料の社長・塩野秀作氏は、著書の中でこう述べている。

〈香料に課せられたミッションとは、食品本来の香りを再現すること。さらに、『本物の香りを、本物よりも本物らしく創る』ことなのです〉

たとえば、チキンの香りと一口に言っても、それが茹でたものなのか、炭火焼きなのか、炒めたものか、揚げたものか、など調理法や加熱の具合によっても香りは異なる。こうした微妙な違いも香料で再現することが可能。サイダーなどの発泡感を香りで演出することもできるようになっているという。

「嗅覚には、鼻からすぐに匂いを感じる前鼻腔性嗅覚と、後で口腔から感じる後鼻腔性嗅覚の2種類があります。これを香料で使い分けることもできます。

たとえばラーメンのスープなどは、飲み込んだあとに感じる香りが病みつきになる要素の一つ。人工的にこの香りを作るには、溶けるまでに少し時間がかかるカプセルを使って、香りを残留させるテクニックを使ったりする。また、ノンアルコールの飲料をお酒に似せるのも、後鼻腔性嗅覚をどう刺激するかがポイントになってきます」(食品メーカー関係者)

より美味しく感じさせるために、こんな商品にも香料の力が使われている。最近人気が広がっている、フルーティーな香りでのどごしがさわやかな日本酒。米、米麹、水だけを原料に作ると、どうやっても「フルーティーさ」を出すことは難しいというのだが、どうしてこんなに飲みやすく、美味しい酒ができるのか。

「じつは、香料が使われているのです。日本酒には、酒税法によって香料を添加することが禁じられているのですが、裏技がある。