第3弾! あなたは何も知らずに食べますか 美味すぎる食い物には「ウラ」がある

果物にホルモン剤投与で甘みを倍増、切り身魚には旨み調味料を注入
週刊現代 プロフィール

この3つを組み合わせることで、どんな味でも化学的に美味しく創り上げることができるのです」(前出・郡司氏)

たとえば、市販されているハンバーグなどでも、この三種の神器が巧みに調合され、美味すぎる肉に仕上げられているものがある。

本来、人間は自然に育ったものを美味しいと感じていたはずだが、本物を超える味を求めた結果、日本人の味覚そのものも大きく変化してきている。

「今の日本人は、よりはっきりした味を好むようになったと言われます。甘みやしょっぱさ、脂っこさというのは人間がもともと好きな味ですが、その味に慣れてしまうと繊細な味が物足りなく感じられ、より濃厚なものを求めていく。

最近は、化学調味料などの食品添加物が多く使われている影響で、味覚が劣化してきたとも言えます」(味覚分析などを行うAISSY株式会社社長・鈴木隆一氏)

玄米などに代表される古来の日本食は、じっくり噛むことで甘みや旨みが出てくる繊細な味わいの食べ物が多かった。ところが、添加物で味が演出できるようになると、口に入れた瞬間に食材の味が広がるような、より「わかりやすい味」を「美味しい」と感じるようになってきたのだ。

味覚は簡単に騙される

そもそも「味覚」とは、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つからなる。

「酸味は腐敗、苦味は毒物を感知する危険回避のシグナルとなるため、本能的には拒否反応を示す。一方、甘味は砂糖などのエネルギー源、塩味はミネラル分、旨味は生物に不可欠なアミノ酸を感知するシグナルです」(前出・鈴木氏)

それゆえ、しょっぱさや甘さは、人間が本能的に好む味というわけだ。

何かを食べると、舌にある味蕾という器官でこの5つの味に分解して感知され、電気信号として脳に伝達される。つまり、味というものは科学的に解析することが可能。この仕組みを利用して食品の味を分析することで、理想の味を「三種の神器」のような化学物質を使って再現することができるようになっている。

鈴木氏が続ける。

「長時間煮込まなければ美味しくならないような料理、たとえば牛頬肉のワイン煮でも、成分を分析すれば、人工的に味を再現することは可能だと思います。逆に言えば、人の味覚というのは錯覚を起こしやすいとも言えます」

人間の味覚は騙されやすい。それは、こんな実験でも知ることができる。

ビーフジャーキー、魚肉ソーセージ、ちくわ。この3つの食材を一緒に煮込むと、どんな味が生まれるか、想像がつくだろうか。