第3弾! あなたは何も知らずに食べますか 美味すぎる食い物には「ウラ」がある

果物にホルモン剤投与で甘みを倍増、切り身魚には旨み調味料を注入
週刊現代 プロフィール

現代の加工食品の多くは、消費者が求める「安さ」を追求するために作り出されてきた。

しかし、消費者は「安さ」だけでは満足しない。「安さ」と同時に「美味しさ」を求める。人の味覚はそれぞれだが、より多くの人が「美味しい」と感じるような味を作り出せないか。もっと言えば、その食品本来の味よりも、わかりやすく、はっきりと感じられる味を作り出すため、あらゆる技術が開発されてきた。

居酒屋や家庭での定番メニュー、ホッケの開きや鮭の塩焼き。口に入れた瞬間、身が柔らかくほぐれ、香ばしい匂いと旨みのある脂がジュワッと口の中に広がる。日本人にはなじみ深いこの味わいは、産地や鮮度と並び、技術によっても生み出すことができる。

「チェーンの居酒屋やスーパーなどで手に入る切り身魚や干物の場合、魚の身に、旨み調味料や大量の脂などが添加されているものが多いのです。剣山のようになった細い針を刺し、その調味液が身に注入される。それによって、脂がのって、身もプリプリ、箸でほぐれやすく旨みのある焼き魚ができ上がるのです」(『ニセモノ食品の正体と見分け方』著者・中川基氏)

調味液とは、食塩水、還元水あめ、でんぷん、リン酸塩、甘味料、pH調整剤、増粘多糖類、化学調味料、酸化防止剤など様々な添加物が調合されたもの。これを注入することで、「本来よりも美味すぎる」魚に生まれ変わる。ホッケや鮭のほか、サバ、サンマ、にしん、タラなど切り身のもの、とくに冷凍で売られているものに、こうした加工が施されていることが多いという。

以前、食材偽装が問題になった際、赤身肉に脂肪分や調味液を加えて霜降り肉に仕上げた加工肉が話題となったが、このインジェクション技術は、魚にも利用されているのである。

どんな味も化学的に創れる

食品業界には、美味しさを生み出すための「三種の神器」が存在するという。

切り身魚に注入される調味液にも含まれていた「化学調味料」、それに「たんぱく加水分解物」「エキス」の3つだ。

「化学調味料は、グルタミン酸ナトリウムなど化学的に生成された旨みを出すための調味料です。

たんぱく加水分解物とは、大豆の搾りカスやクズ肉などのたんぱく質を、塩酸や酵素などで分解したもの。味に深みを出す効果があります。

チキンエキスやビーフエキスなど、さまざまな種類がある『エキス』は、原料となる食材に化学処理を施して抽出したもの。たとえば鶏なら、死んだ鶏や内臓部分を煮込んで抽出される。これを加えることで、本物らしい風味が出せる。