声に出して言いにくい「日本の大問題」第4回 隣のストーカー「被害者にも問題がある」という大衆の心理について考える

越智啓太×栗原加代美
週刊現代 プロフィール

栗原 60代、70代で妻に先立たれて独り身になった人が、「死ぬまでにもう一度恋をしたい」という衝動で若い女性に惚れて、ストーカーをしてしまうケースもあります。

越智 それよりさらに上、70代、80代のストーカーもいます。実際に、80歳を過ぎてから20代の女性にストーカー行為を行った男性が、2回書類送検され、さらに2回逮捕されるという事件が熊本で起きています。

高齢者の場合、殺人や傷害事件を起こすことは少ないのですが、女性につきまとって検挙される事件は相当あります。カフェの女の子や会社の受付嬢に一方的に惚れてしまい、電話を掛けまくったり、ラブレターを出しまくったりするケースが後を絶ちません。でも、検挙をしても、刑務所に行くほどの罪は犯さないので、すぐに釈放されます。そして、失うものがないから、出てきたらまたストーカー行為を働いてしまう。

栗原 最近よくストーカー行為に使われている、メールやSNSというツールも、若者だけのものではありません。若者にも高齢者にも、潜在的なストーカーはたくさんいると思います。

越智 厄介なことに、ストーカーは、自らをストーカーだと思っていません。ストーカー被害を減らすためには、加害者なんだと自覚させることから始めるべきです。

おち・けいた/'65年生まれ。犯罪心理学者。警視庁科学捜査研究所研究員などを経て法政大学文学部教授。『ケースで学ぶ犯罪心理学』など著書多数
くりはら・かよみ/'46年生まれ。DV・ストーカー被害者支援・加害者更生プログラムなどを行うNPO法人「女性・人権支援センター ステップ」理事長

「週刊現代」2014年3月15日号より

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