2014.03.13
# 雑誌

スピルバーグにも影響を与えた 特撮の元祖にして、最高傑作! 世界一有名な怪獣ゴジラを語ろう~宝田明×佐野史郎×中野昭慶

週現 『熱討スタジアム』第97回
週刊現代 プロフィール

宝田 第1作の封切り前の試写会で、私は泣きました。水爆実験の被害者であるゴジラが、なぜ虐められ殺されなくてはならないのか。罪のない生き物を覚醒させたのは人間ですよ。水爆の影響を受けて死ななかったゴジラを、より強力な兵器「オキシジェン・デストロイヤー」で抹殺する。人間が一番残酷なんです。だからこそ、ゴジラは恐怖だけでなく切なさも、観た者に与える。

中野 いま、原発は是か非かと大騒ぎしている。しかし、核の恐ろしさを知っている日本人ならば、とるべき道は決まっていると、私は思う。

宝田 ゴジラに込められた警告は、現代にも通じます。「ゴジラって単なる怪獣モノだろ」と思っている人は、原点である『ゴジラ』を観てみてください。作品の持つ社会性に驚くことでしょう。国会議員にはぜひ全員に観てもらいたい。

佐野 恐怖の象徴だったゴジラも、シリーズを重ねるごとに低年齢向けに作られるようになり、'70年代には人間の味方へと変わってしまう。

中野 映画の宣伝担当者からは「本編開始から5分以内にゴジラを出してください」というリクエストがあった。子供が飽きる前に登場させろというわけです。1作目でゴジラそのものはなかなか登場せず、音などで恐怖感を煽りますよね。僕らも本当はあの演出をやりたかったのですが……。

宝田 スティーブン・スピルバーグも、幼い頃に『ゴジラ』で体験した恐怖感を再現したいという思いが『ジュラシック・パーク』('93年)につながったという話をしています。実際、T-REXの登場シーンに似たような手法を使っている。

佐野 『怪獣大戦争』('65年)のときのゴジラの「シェー!」は、相当話題になりました。

中野 あれには賛否両論ありました(笑)。観客動員が下がっていたこともあり、話題作りでやったんです。

佐野 5月に公開されるハリウッドリメイク版が、どれだけ過去のゴジラを踏襲しているか注目ですね。

宝田 私も少し出演させてもらいました。カナダのバンクーバーで撮影してきましたが、現地のファンがゴジラのポスターを持ってサインを求めてきた。ゴジラは日本が世界に誇る映画スターだと再確認しましたね。ハリウッドのチャイニーズ・シアターの前のブロックタイルには、名優にまざってゴジラの名前が一番目立つ場所に刻まれている。ゴジラと一緒に歩んできたつもりの私としては、羨ましい限りですよ(笑)。

佐野 本家である日本でも、ゴジラの新作を期待します。そして、また出演させてもらいたいですね。

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