年金制度の「改悪」を止める方法

〔PHOTO〕gettyimages

厚生労働省が自民党の厚生労働部会に、年金改正の案を持ち出した。

具体的には、現在60歳までの支払期限を65歳まで5年延長。また、マクロ経済スライドの適用を厳格にして、受取額が目減りする内容も含まれているという。

漸次的にこうした「改悪」が続けば、今後どこまで制度が国民に不利益なものにされるのかわからない。年金はどうなってしまうのか。

確かに高齢化によって、若い世代が払う保険料のほとんどが引退世代に所得移転されるという現在の「賦課方式」の仕組みでは、年金財政はもたなくなっている。一方で、多くの国民が年金は自分たちの支払う保険料が老後に自分のところに返ってくる「積立方式」と勘違いしている。

この問題を解決する方法は二つしかない。国民の「誤解」にあわせて年金の賦課方式を積立方式に改めるか、国民の「誤解」を改めるか、である。

前者のように、年金制度を「賦課方式」から「積立方式」に変更するためには100年以上の移行期間を要するが、少しでも積立方式に変えていく方策があってもいいだろう。

後者の場合、今の年金保険料を年金保険「税」に名称変更するのが第一歩となる。「税」であれば、国民が自分の老後に返ってくると誤解することもなくなる。さらに、年金保険料の徴収を年金機構が行うのではなく税務署が行うようにすれば、年金保険「料」の「未納」は、年金保険「税」の「脱税」になって、税務署が強制的に徴収するようになる。実は、今でも年金保険料の法的な性格は税と同じだが、年金機構は人員がいないので強制徴収を事実上怠っているだけである。

要するに、長期的には、今の「賦課方式」を幾分か是正して「積立方式」の要素を取り入れながら、短期的な施策として年金保険料を「税」として扱うために歳入庁を構築することが必要だといえる。こうした施策を行えば、年金制度を国民が損得で見ることはなくなるし、国民の「誤解」も生じなくなる。

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