これから楽しみな素敵な女性起業家の方に経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘が話をうかがう本連載の第十三回目は、通訳サービスと英語教育を提供し、自身がカリスマ同時通訳者である株式会社プレミア・リンクスの関谷英里子社長の登場です。
ちなみに、関谷さんは2007年から、筆者がコンテスト審査員などを務めるIT・ネット系を中心とする日本最大の起業家・ベンチャー企業のカンファレンスInfinity Ventures Summitで通訳の采配を振るっており、プロフェッショナルとしての仕事の質はもちろん、単なる通訳を超えた人物として、その生命エネルギーの豊かさとともに注目してきた。
いまは通訳エージェントと英語教育をやっています。2008年の終わりに会社を創ったとき、人と人をつなぐ仕事をしたいと思い、通訳に限らず何でもできる社名にしました。マーケティングのため事業名は「日本通訳サービス」にしました。お陰様で、このウェブサイトは検索で上位に出てきます(例えは「日本 通訳」や「通訳サービス」ではトップか二位に表示される)。通訳に加え、プレゼン資料の翻訳等も受けていますが、ビジネス関係や著名人、講演会、カンファレンスの通訳が主です。
ひとつひとつの仕事が次につながってきました。日本企業のお客様と外資系企業とのミーティングに行って、帰る際に相手の外資企業から次からウチにも来てくれないかと言われたり。仕事をちゃんとやると、それがプロモーションになります。
たまたま英語の講演を同時通訳したとき、反応がすごくよかったんです。「講師があたかも日本語をしゃべってるように感じた」と言っていただきまし た。言語、性別、タイミングなどの違いを超えて、聞いてる人としゃべってる人の気持ちをつなげる、そういうことが私は得意なんだなと、そのときに気づきま した。
著名人、例えばアル・ゴア氏と親しかったわけじゃありません。著名人の講演があると知ると、イベント会社(広告代理店、出版社等)へ、「講演会の通訳どうされてますか?」と営業をかけました。アル・ゴア氏も、来日時に私だけでなく複数の通訳を使っていますが、ウチがやりましたと言う会社はありませんでした。一方、私は積極的に著名人の講演での同時通訳実績をアピールしたのです。これがさらに次につながっていきます。
通訳・翻訳は分散事業であり、参入障壁も低い。しかも、歴史が長い。それを発展形に持って行くのは、関谷さんのように、そもそも何がやりたいかというビジョンと、エッジを効かせたアプローチが大切だ。もっとも、しっかりした仕事の積み重ねが次の展開をもたらすという基本も然りだ。