二宮清純「上原浩治、“新魔球”でさらなる高みへ!」

二宮 清純 プロフィール

フォークと並ぶ勝負球に

 スプリングトレーニングからエキシビションゲーム(オープン戦)にかけて、このボールの習得に余念がなかった日本人メジャーリーガーがいます。レッドソックスのクローザー上原浩治投手です。

 上原投手の昨シーズンの活躍については改めて語るまでもないでしょう。レギュラーシーズンの成績は自己最多の73試合に登板し、4勝1敗21セーブ、防御率1.09。ポストシーズンゲームでも大活躍し、リーグチャンピオンシップでMVPに輝いた他、カージナルスとのワールドシリーズでも最後を締めくくりました。

 言うまでもなく上原投手のウイニングショットはフォークボールです。人差し指と中指の微妙な力加減で、シュート気味に落としたり、スライダー気味に落としたりすることができます。

 この1月に会った際、上原投手は2014年シーズンの課題について、こう語っていました。
「左バッターの外へ、シュート気味に逃げるボールに比べると、右バッターの外へのボールはまだ改善の余地がある」

 既にこの頃から、上原投手の頭の中にはカッターがあったのでしょう。このボールをマスターできれば課題のほとんどの部分は解決します。

 上原投手は今年4月で39歳になりますが、「引退するまでは、まだ“伸びしろ”がある、と信じている」と語っていました。名門レッドソックスの守護神の座を譲るつもりは、さらさらなさそうです。