3月3日、武田薬品工業は同社の降圧剤「ブロプレス」に関して記者会見を開いた。プレプレスについては、NHKが2月27日に報道して以来、その宣伝が問題になっている。
報道によれば、「CASE-J」と呼ばれる医師主導臨床研究で、ブロプレスの販促に使われたグラフと最終的に論文で使われたグラフが異なり、実際の臨床研究で得られた結果よりも有利な情報をもとに販促が行われた可能性があるという。
3日の会見では、同社の長谷川閑史社長がこの問題について、誤解を与える宣伝だったとして謝罪したという。
一連の報道と記者会見はCASE-Jに関するものであるが、実はブロプレスは過去に、今回とは別の広告が衆議院厚生労働委員会で問題にされている。
それが、上の広告だ。2010年3月の医師向け専門誌『日経メディカル』に掲載されたものである。
まずは先入観を持たずに見てもらいたい。この広告を見たとき皆さんはブロプレスがいったい何に効く薬だと思うだろうか?
この問題については、昨年12月4日に委員である長妻昭元厚生労働大臣が、田村厚生労働大臣に対して質問している(http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009718520131204012.htm#p_honbun)。
この広告で相手が差し出しているカードは、左上から「OVER140/90(高血圧)」「高齢者」「夜間高血圧」「糖尿病」「CKD(慢性腎臓病)」。こうした厄介な疾患に対して、右中央から光り輝く手札を切り出そうとしている。その下には「切り札は多いほうがいい。」というコピーが入り、さらに下の「ブロプレス錠」の文字に視覚が誘導される仕掛けだ。
こうした配置から、光り輝くカードは当然ブロプレスを表しているものと考えられ、ブロプレスが「切り札」として上の5つの疾患に効くように読み取れる。
少々くどく書いたが、少なくとも私には5枚のカードに記載された疾患に対してブロプレスが効くように見える。