館淳一 第1回 「『週刊プレイボーイ』が100万部雑誌になった原動力は館淳一の文章に負うところが大だった」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ おれはいま土日に、新宿伊勢丹のサロン・ド・シマジでバーマンをやっているんだが、先日「シマジ先生は館淳一先生の親友だそうですね」と妙齢の女性が尋ねてきたんだ。そのとき館のファンには女性も多いなと感心したんだ。お前にお尻をパンパン叩かれたいんじゃないかと想像しながら、その女性の顔をまじまじと見てしまったよ。

 シマジ流の勝手な想像で決めつけないでくれ。

セオ 館さんにはソフトエロの小説も沢山ありますから、女性ファンも多いのではないですか。ところで館さんとシマジさんはどうして知り合ったんですか?

 集英社の最終面接で会ったのが最初です。30人くらいは残っていましたかね、そのなかに牢名主みたいに威張っているヤツがいた。それがシマジだったんです。

先に面接を受けてきた同じ仲間に「何て訊かれた?」などとシマジがたずねる。神経質そうな受験者が「それは秘密です」と答えると、「君は落ちたね」なんてでかい態度で脅すんですよ。とにかくシマジはあのころからふんぞりかえっていた。

それで自分が面接を終えると、顔を輝かせながら「諸君、おれは受かったよ。では失敬!」といってさっと帰ってしまった。あまりに衝撃的だったのでいまでもあの光景は覚えています。

立木 シマジがそのころから傲岸不遜だったという貴重な証言だね。

シマジ おれも館のことははっきり覚えている。館が吃音だということだ。ゲイ同士は一瞬でお互いがゲイだとわかるというが、おれたちも会って1分でわかるんだ。

 いや1秒じゃないか?

シマジ そうかもしれない。だからおれが集英社の合格通知をもらったとき、「可哀相にあいつは落ちたのか」と思ったんだ。ところが合格した9人が一堂に会したとき、そのなかになんと館がいるじゃないか。二人して顔をみるなり抱き合ったね。人生の数少ない感動的な瞬間だった。