【第2回はこちら】
小川: 日本初のソーシャルメディアエディターになって、2012年4月からこの1年半くらいの間にずっとソーシャルのなかで、ときには傾聴し、ときには発信するということをやってきているわけですが、そのなかで変化というのはありましたか。
僕の印象でもTwitterなんかはだんだんみんなこなれてきて、炎上や問題もくり返しながら、そのなかで学習もしている。何らかの形でのモラルであるとか自浄作用というのが起きていると思うんです。それは感じますか? それともそんなに変わっていないですか?
山田: リテラシーが、上がっている人は上がっているとは思います。情報の発信も上手になっているし、見極め方も上手な人も出てきている。全体で言えば、受け取り方が変化したのかな、という感じはありますね。
一方的に朝日新聞批判をしたり、安倍首相批判をしている人もいますが、それに対し、「それって本当だっけ」と疑いながらバランスをとろうとする人も増えている。こっちの人はこう言っているけど、こっちの人はこう言っているよね、というようなことは全体に増えてきていると思います。
しかし、一方的に誰かを批判する空気のときに、「いや。でも、それって違うんじゃない?」というボールを上手に投げ込めるレベルの人がどれだけいるかというと、これはやっぱりすごく難しい。
何となくネットならではの世論が形成されていくときに、「そうなの?」という問いかけができる人は、いわゆるアルファブロガーを含めてまだごく一握りの人だという印象はありますよね。