閲覧数10億超の参加型オンライン放送局が目指す新しいニュースの形---ハフポスト・ライブ代表ロイ・シーコフ氏講演レポート

佐藤 慶一 プロフィール
著名なジャーナリストであるトーマス・フリードマンの出演時

専門家を再定義し、「データに命を吹き込む」

これまでに100以上の国から17000人が参加している。参加者には興味深いことが言いたくて、それをしっかりと表現できる人が多いという。

ニューヨークタイムズなどに寄稿をしている著名なジャーナリストのトーマス・フリードマンが出演した時には、サウジアラビアの話題に、同国在住の女性からコメントが届いたことに驚いたエピソードも紹介した(その時の動画はこちら)。

当初は、「コミュニティ志向のオンライン放送をはじめると言った時、そんなに表現できる人がいるのかと言われた」という批判もあったそうだ。しかしながら、ツイッターやフェイスブックをはじめ、多くの人が発信者となっているソーシャルメディア時代には、新しい専門家が生まれている。

ハフポスト・ライブのポイントの一つに「専門家の再定義」がある。有識者や専門家というこれまでとは違う新しい専門家。それは、新しい見方で、これまで聞かれることのなかった声(オピニオン)を持っている人であり、ニュース(話題)を日々肌で感じて生きていて、経験をもとに話せる人だと捉えることもできる。

「そのニュースがその人の人生にどのような影響を与えているのか。それを肌で感じて語ることのできる参加者が重要」とシーコフ氏。扱うトピックについて経験を持っており、肌で感じている人が価値のあるコメントや広げるべき声を持っているのだろう。

一方で、一部のジャーナリストには、ハフポスト・ライブやその専門家の捉え方に抵抗を持つ人もいるという。現代のように情報やデータがあふれている時代には、頭に訴えるデータと心に訴えるストーリーテリング(語ること)が重要であり、シーコフ氏は「データに命を吹き込む」と形容していた。

参加のハードルをぐっと下げ、まさにメディアの民主化を実現しようとするハフポスト・ライブに関するデータは冒頭でも紹介した。平均視聴時間22分、10億回閲覧数、150万コメント、2200月間UUというのがこれまでの成果だ。

ニュースの当事者が世界中からいつでも声を上げることができる。議論に参加できる。参加型のオンライン放送局ハフポスト・ライブが、メディアの民主化を実現する日も近いだろう。