2014.02.15

住宅費も通訳の給料も球団持ち 田中将大「年俸23億円」さて、どうやって使えばいいのか

週刊現代 プロフィール

一生、使い切れない

前出のジャックの弁護士、アルバート・ワトキンス氏が補足する。

「球団も選手に代理人やフィナンシャルプランナーは紹介しません。失敗した際、責任を問われるからです。選手は誰に相談するか、自分のお金をどうするか、自分で決めねばなりません。ですが、彼らの多くは若く、そして世間を知らない。詐欺の格好のターゲットなのです。優れた能力に寄生する人たちに囲まれているのに、そこに気がつかない」

最高年俸5億5000万円で4年間、日本のトップに君臨した元阪神・金本知憲氏が続ける。

「何億ももらうようになって、『趣味は貯金』とセコセコしだすヤツがいたかと思えば、入団のときにもらった契約金をすぐ使い切るヤツもおったね。あだ名はバブリー。クラブを飲み歩いて、車を衝動買いして、スーツもバッグも高級ブランドで揃えてね。デパートの営業が自宅まで来るVIP待遇でした。二軍のくせに。マンションをポンポンと二つ買ったりね。『いまからいくらでも稼げる!』いう自信があったんやろうね。4~5年でクビになりましたけど」

在籍した広島でも阪神でも、節税や投資について球団や先輩から指導されることはなかったという。

「だからこそ僕も、最後は親友に裏切られて、お金を盗られたんやけどね(笑)」

自身が巻き込まれた投資詐欺事件は、金本氏にとっても苦い経験だった。

そもそも—田中は一生かかっても使い切れないような大金を求めてメジャーに行ったわけではない。

昨季はプロ野球新記録となる24連勝を記録。先に海を渡った尊敬するダルビッシュ有同様、最高の舞台で投げたいという純粋な想いだけだった。にもかかわらず、様々な人間がカネ目当てに寄ってきては、何の関心もない投資や利殖にまつわる「うまい話」を持ちかけてくる。田中にしてみれば、投資で1億円儲けるより1勝することのほうが、はるかに価値があるはずだ。

「年俸3億だった僕ですら、契約が決まったとたん、いろんな人から出資話を持ちかけられました。全部断りましたよ。納税や年俸の管理は代理人に任せました。田中君同様、純粋に野球で勝負したかったから。カネは二の次だったんです」(前出・薮田氏)

プロである以上、年俸で評価されるのは当然である。だが、あまりにも多すぎるカネを手にすれば、それをどう使うのか、どう管理するのかという新たな問題も生まれてくる。カネに汲々とするのも嫌だが、あり過ぎても邪魔になるのがカネなのかもしれない。

「週刊現代」2014年2月15日号より

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