[NBA]
杉浦大介「レブロン&ヒート、3連覇への道険し?」

スポーツコミュニケーションズ

スーパーボウルを境に巻き返しか

レブロン(左)がディフェンダーを引きつけた上で繰り出されるアレン(右)の3点シュートは強力な武器だ。Photo By Gemini Keez

 ヒートは決して若いチームではなく、膝の状態に悩まされ続ける32歳のウェイドはすでに13戦を欠場。さらにレイ・アレンは38歳、ユドニス・ハスレムは33歳、シェーン・バティエが34歳と一部の主力選手は高齢だけに、シーズンを通じたスタミナも気にかかるところである。

 そして何より、頼みの怪物レブロンも、今季の平均26.3得点はデヴュー2年目以降では最低の数字となっている。加えてフィールドゴール試投数、平均スティール、平均ブロックもすべてキャリア・ワーストであり、平均リバウンドもこの7年間で最低の成績。過去5シーズンで4度もリーグMVPに輝いたレブロンだが、今季はややインパクトに欠けるだけに、現時点ではリーグ1位の平均31.0得点をマークしてきたデュラントをMVP最有力候補に推す関係者も多い。

 加齢、マンネリ、対抗馬ペイサーズの成長に加え、このようにレブロンもややペースダウン。だとすれば、ヒートの3連覇への挑戦には黄信号が灯っていると言えるのだろうか……?

 ただ、冒頭のレブロンの言葉にある通り、経験豊富なヒートの選手たちは巧みにペース配分を図っている部分もあるのだろう。

「(29日のサンダー戦では)地元で恥ずかしい試合をしてしまった。そろそろ調子を上げなければいけない時期だよ。スーパーボウル(今年は2月2日)が終われば、スポーツファンはNBAに注目し始める。それこそが僕たちも調子を上げなければいけないというサインなんだ」
 鍵を握るロールプレーヤーのバティエも、レブロンとほぼ同じ意図のことを語っていた。

 過去3シーズンで他のどこよりも多くの試合をこなし、しかも数多くのベテランを抱えるヒートは、1年を通じてフルパワーで突っ走ろうとするべきではない。エネルギーを費やし過ぎず、体調を整えながら、4月のプレーオフ開始に向けて徐々にエンジンをかけていけば良い。

冷静沈着なバティエ(左は映画監督のスパイク・リー)は、さまざまな形でチームを助ける。Photo By Gemini Keez

 思えば昨シーズンも、ヒートが成し遂げたリーグ史上2位の27連勝が始まったのはスーパーボウル当日の2月3日だった。そして今年のチームも、スーパーボウル前日の2月1日から3連勝を開始している。

 昨季は破竹の連勝記録に力を注ぎ込み過ぎた感があったが、貴重な経験を積んだ今季は同じミスは犯さないだろう。そう考えていくと、一部が唱える危機論は穿ち過ぎか。百戦錬磨のヒートは、依然として3連覇へと進むレールの上を堅実に走行していると捉えることもできるのかもしれない。