ピクシブ代表取締役社長・片桐孝憲「個人最強時代だからこそ、チームで生み出して、個人で作れないようなすごいものを作る」

81世代の起業家たち
片桐 孝憲
オフィスに週2回出社する社員犬のチョビちゃんと

当初の予定通り一人じゃなくて仲間と会社を始めようと、ネットを始めたばかりのときに出会った、今でもピクシブの執行役員をしている坂上とかと3人で起業したのが2005年7月。当初はとにかく会社を作ることが目的で、良いことばかり考えていました。儲かりすぎちゃうんじゃないかと緊張して、税金対策とかどうしようと思ってたり(笑)。いや、どうしようじゃなくて、うまくいくことしか考えていなかったですね。

でも実際起業してみると、当たり前だけどそんなことなくて(笑)。全然うまくいかない。3人いると月100万円くらいは稼がないといけないんだけど、書類や請求書の書き方も知らないし、営業のやり方もわからないし。無理やり友達に頼み込んで仕事もらって、ホームページ作ったりして、受託地獄。実績もないし、人脈もないし、技術もない。とにかく仕事をこなして、その日に食べるラーメン代稼ぐようなぎりっぎりの毎日でした。

当時千駄ヶ谷に2万5000円のオフィスを借りて、その近くの家賃5万円の部屋に弟と二人で住んでいました。汚すぎてお風呂は使えないし、暖房とかもちろんないから冬は寒い。安アパートを行き来しながら、富士そば食べてがむしゃらに仕事して。それでも自分は、貧乏だと感じなかったし、楽しかったんですよね。

でも、この食うのに必死な状況では、会社がもたないなという不安は常にありました。一緒にやってくれる人はただ僕が会社をやりたいって言ったから一緒にやってくれているだけで、こんなに給料安くて何やっているかわからない会社だったら、長くて2年くらいしか引き止めてられないな、と。それで、毎日がむしゃらに働く中で、「自分はそもそも会社を作って何がやりたかったんだろう」と考えていました。

その時に出てきたのが「尊敬できる人たちと仕事をしたい」という思いでした。尊敬できる人たちとすごいチームを作りたい!と。それで、そういう仕事をするには、すごいプロダクト、すごいプロジェクトが必要だと思ったんです。

このサービスに賭けてみようと思った瞬間

ちょうどその頃、mixiとかYoutubeとかブログとかWEBサービスのブームが起きてて、また「これなら作れそう!」だと思って、2006年から請負の仕事の合間を縫ってWEBサービスを作り始めました。でもなかなかうまくいかなくて。

その時に、一緒に仕事をしていたプログラマーの上谷(馬骨)さんが「イラストレーターのためのギャラリー兼SNSをつくりたい」と言ってきたんです。それを聞いた僕はそんなの絶対無理だと思いました。イラストに特化するなんて、当時のネットお絵描き界は、ホームページでリンク張り合うとかお絵描き掲示板しかない世界で、pixivのユーザーになってくれるのは100人くらいしかいないんじゃないかと思っていて、100人のためのサービス作るなんてありえないと。

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