北海道日本ハムの斎藤佑樹投手は沖縄・名護でのキャンプで復活をかけ、シュートの習得に取り組んでいます。
斎藤投手は昨シーズン、右肩関節唇損傷の影響で、わずか1試合にしか登板することができませんでした。それだけに、このキャンプにかける思いは誰よりも強いはずです。
シュートをマスターすることができれば、斎藤投手にとっては復活の大きな武器となるでしょう。是非、成功してもらいたいものです。栗山英樹監督も「オレは荒木大輔を近くで見てきているから、それとかぶるところがある」と、かつてケガから復活を遂げた元チームメイトに斎藤投手を重ねていました。
「東尾(修)さんみたいに投げて欲しい」
栗山監督がそう語ったのは2012年のシーズン中のことです。「打たれるくらいなら(バッターに)当ててもいいつもりで投げろ」と喝を入れていました。
周知のように東尾さんと言えば、シュートとスライダーを武器に251勝をあげた大投手です。ホームベースの幅43.2センチを目一杯、使ったピッチャーでした。
斎藤投手も東尾さん同様、驚くようなスピードボールがあるわけではありません。バッターの懐を厳しく突かなければ、バッターはどんどん踏み込んできます。
現役時代、東尾さんはシュートとスライダーをセットで使っていました。シュートで右バッターの懐をえぐってから外角にスライダーを投じれば、シュートの残像が頭に残っているため、バッターは容易に踏み込むことができません。左バッターには逆パターンで攻めます。東尾さんはこうしたテクニックを駆使して、外のボールをより遠くに見せていたのです。