『その手があったか! 「ニッポンのたたき台」』 ~民管理職39人のタスクフォースが考えたニッポンを鍛える55の提言

序章より一部抜粋

「自ら国を守る」という意思

にもかかわらず、日本国民は危機意識に薄く、この問題に無関心であり続けているように見えます。もっと言ってしまえば、そのありさまは、まるで「ダチョウ症候群」のようです。ダチョウ症候群とは、危機が近づくと砂に首を突っ込んで見ない、聞かないふりをするダチョウの愚かな振る舞いを言います。

そのこと自体が日本の最大の脅威となっています。日米安全保障条約を基軸とする日米同盟は日本の安全保障の要であり、これを維持し、継続的に進化させていくことが重要です。しかし、もし日本国民の危機意識が今のままであれば、米国民は日米同盟を維持することに疑問を感じるでしょう。

国民一人ひとりが「自ら国を守る」という意思を持つことが、今まさに求められています。これに対して「右傾化の始まりだ」などの批判が喧伝されがちですが、それはお門違いです。私たちが主張したいのは、日本を挑発してくる国に対して、すぐさま銃を持って立ち上がり相手を迎え撃つ意思を持つことではありません。

また、もし戦争が起これば何がもたらされるのかという感受性を失い、戦争を誘発する言動で応酬することでもありません。冷静さと知性をもって挑発に対応し、ギリギリのところまで踏み込み、そこから一歩も引き下がらないという覚悟を示し、一切の隙を見せないという粘り強い対処力が必要だと考えているのです。

今、国際社会の中で日本が率先して行うべきは、軍事的衝突を招くことなく、中国が国際ルールに従って行動することを、外交努力によって確保することです。決して一時の感情に流されて「やられたらやり返す」という意思表示をすることではありません。

これからの日本の安全保障のかたち

大人になった今の子ども達が、この国に生まれて良かったと思えるような素晴らしい国であるために、この国の安全保障はいかにあるべきでしょうか。

私たちは決して安全保障のプロではありません。しかし、私たちなりの気概をもって、陸海空の自衛隊基地、在日米軍基地、海上保安庁第十一管区などの最前線の現場や、米国、韓国、台湾に飛び出して外交当局者やシンクタンク、そして内外各地の戦争資料館などを訪ねてきました。

そこで辿りついた答えは、「自ら国を守るという意思と能力を持ち責務を果たす国、世界の平和と発展に主体的に貢献する国」です。平和を志向するだけの一国平和主義でなく、隙のない、しっかりとした国家基盤・安全保障戦略を持つ国となり、国際社会の中で一目置かれる立場で、「戦争が起きないように、起こさせないように」英知を結集して行動する国を目指すべきだと考えます。

今こそ、国民がより確かな関心をもって、かつ冷静に、安全保障について考えるときです。私たちは、その一助となることを願って、平和を勝ち得る外交・防衛をテーマとした「13の提言」をまとめあげました。