面接官「あなたをモノにたとえたら?」学生「はい。消しゴムです」お互いが真剣に迷走中!「人物本位」の就活、こんなにヒドいことになっていた

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基本的に面接は、経理や営業など、人事部以外のさまざまな部署から社員を動員して行います。そうしないと、学生からの質問を受けた時にきちんと答えられないからです。しかし、その問題の学生はしつこく、自分の地元の近くにある小さな店舗の業績についてネチネチと聞いてきた。そんな、一つ一つの店舗の業績なんて、その場ですぐにわかるはずがない。面接官が口ごもっていると、『それで競争に勝てますか!そんなものですか、この会社は!』と迫ってきたというんです。

そして最後に、熱弁をふるった時とはうってかわって落ち着いた様子で、『私は、いずれは上に立つ人間です。無礼をお許し下さい』と決めゼリフを吐いて去って行った。ドラマやマンガの見すぎですね。私たちは茶番劇に付き合わされただけ。もちろん、不合格になりました」

就活生たちの勘違いはとどまるところを知らない。中には、個性的であろうとするあまり、自分が企業にエントリーするのではなく、企業側が自分にエントリーすることを求める「逆採用」のホームページを開設した者までいる。

彼のホームページには大きく「世界一即戦力な男から新卒採用担当者のキミへ」と書かれ、面接したい企業を「逆に」募集したのだ。

ホームページには、自作のポエムや、「ぼくらの地球を守るため」というワークビジョンなど、独特の自己PRが書き連ねられている。このサイトはネット上で話題を呼び、一連の出来事がネットドラマ化されることが決まった。

この「逆採用」は一般の学生の間でもブームとなりつつあり、「逆求人フェスティバル」などと銘打った就活説明会も各地で開催され、盛況を博している。普通の説明会では学生が企業のブースを回るのだが、この「逆採用」説明会では、さまざまな企業の人事担当者が学生のブースを回り、自己PRを聞くというイベントだ。学生は、おのおの手書きのフリップを用意し、意気揚々と自分を次のようにプレゼンテーションする。

「私のPRポイントとして、『人が好き』『好奇心が旺盛』『責任感が強い』ということがあげられます」

「3年間コンビニでバイトをしたおかげで、明るく接客することが得意です!」

だが、イベントに参加した大手商社の人事担当者はこんな本音をこぼした。

「上司に言われて来ていますけど、私ら企業側が学生に頭を下げて話を聞かせてもらってって……どうかと思いますね。ここにブースを出しているからといって、必ずしもその学生が優れているとも言えない。どちらかというと、アクの強い学生が多いですよ。わが社で採用したい人は、一人もいませんでした」

このように「ズレているけど必死」な学生たちが四苦八苦する一方で、自分の主義主張や目標をまったく持たない学生も増えていると明かすのは、ある中堅私立大学の就職部長だ。

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