[サッカー]
ブラジルで単身挑むフットボーラー、須藤右介(前編)

スポーツコミュニケーションズ

未知の土地で受けた衝撃

写真提供:須藤右介

 まず須藤はサンパウロに向かい、そこから国内線でブラジルW杯日本対コートジボワール戦の会場であるレシフェに到着した。そして、レシフェから車で7時間かけて、ようやくサルゲイロに到着した。
「なんだ、ここは?」
 時差ぼけでふらふらになった須藤が目にしたのは砂ぼこりが舞い、サボテン等の植物が点在している光景だった。道端では馬が走っていた。須藤は「いやぁ、いきなり衝撃を受けましたね」と苦笑しながら当時を振り返った。

 また、強烈な暑さにも面食らった。サルゲイロは「セルトーン」と呼ばれるブラジルでも有数の熱帯地域だったのだ。蒸し暑さはなく、日陰に入ると涼しいが、須藤が最初に訪れた2月は、40℃近くまで上昇する日もあった。

「寒くなることはほとんどないです。パーカーを1枚持っていれば大丈夫。一番寒い時期に雨が降ると、『少し寒いな』と思ってパーカーを羽織るくらいですからね。ダウンジャケットやマフラーなどは必要ありません。常にみんなサンダル、短パンにTシャツ姿ですよ(笑)」

 環境もさることながら、年俸もまたJリーグ時代の半額と、大きなギャップがあった。

「お金のことは気にならなかったです。まあ、数字を耳にした時は、その安さに驚きはしましたけど(笑)。でも、日本から鳴り物入りで入団する選手でもなかったですからね。とりあえず向こうに行って、結果を出せば金額は上がるでしょうし、あとは他のチームのスカウトに見てもらえるチャンスがすごくたくさんある。別のチームのスカウトの目に留まるくらい、そして年俸が上がるくらいのパフォーマンスを見せればいいと思っていました」

 未知なる大地で、須藤の新たな挑戦が始まった。