【質問】 私はアントレプレナーシップを専攻している学生です。新事業のアイデアをいくつも抱えています。しかし大学ではどの時点で事業をスタートするかについては教えてくれません。最初は何からはじめればいいのか、途方にくれています。(テイラー・マティシク、米・セントトーマス大学)
――ブランソン: 起業のプロセスを実際に経験していないこととは関係なく、スタートのタイミングで途方に暮れたり当惑したりするのは理解できます。多くの人が起業にあたり経験することの1つです。ビジネスの学位は、起業の実際のスキルを常に訓練してくれるわけではありません。訓練したとしても、学んだことの応用は非常に難しいのです。卒業後は、オンラインのコースや、メンターによる指導プログラム、さらにこれがもっとも重要ですが、現実世界の経験でスキルを補充しなくてはなりません。
うれしいことに、素晴らしいビジネスは素晴らしいアイデアから、と言います。アイデアマンであるあなたの幸先がいいことは保証します。
まず最初のステップです。何かを実際にはじめる前に、自分がリラックスできる居場所を探してください。私の仕事場は決まってネッカー島の自宅にあるハンモックの上です。あなたも自分の居場所で最上のアイデアで作る会社を構想してみるのです。その会社は、気持ちのうえでも、精神的にも、さらには資金的にも自分にぴったりだと思えるものでなくてはなりません。
そのビジネスがどのようにみんなの暮らしに役立つのか、確信はありますか?このことは決定的に重要です。なぜなら仕事が心底好きなら、起業家の生活にはつきものの長時間労働や労苦に耐え抜くことができるからです。その結果としての成功と賞賛は、いっそう甘美なものとなるでしょう。
私への手紙には、あなたの2次専攻の科目がレコーディング・アートと書かれていました。音楽への情熱をお持ちのようですね。この分野で何か隙間市場を発見しましたか?私は40年前に音楽産業で事業家としてのスタートを切ったので、この分野のおもしろさには太鼓判を押します。ネット上の音楽配信が急増していますから、新しいチャンスもきっと生まれているはずです。・・・・・・この続きは『現代ビジネスブレイブ リーダーシップマガジン』vol059(2013年12月24日配信)に収録しています。