アフリカ9ヵ国で、50社以上の会社を経営し、年商300億円以上稼ぐ、元ニートの経営者、金城拓真氏(31)。
公務員になるのが夢だった金城氏は、試験を受けそびれ、大学卒業後、ニートになった。その後、アフリカへ渡り、2007年、中古車の輸出販売をスタート。韓国の大学に通っていた彼は、学生時代、アフリカなど途上国の友人とお遊び的な感覚で、中古車販売ビジネスの経験があったのだ。
中古車販売業を皮切りに、タクシー業、ホテル業、鉱山採掘業、卸売業、土地開発……現地の人たちを雇用し、求められるがままに、現在50社以上の会社を設立し、経営している。
学生時代も含めれば、アフリカでビジネスを始めて11年。
アフリカに注目が高まる近年、第一人者・金城氏が見る2020年とは---
2020年というと、今から6年後。僕にとって6年後というのはすごく遠い未来に感じます。敏腕社長なら6年後どころか60年後の未来まで見通しそうですが、僕自身は来年のこともよく分かりません。こうして社会を面白く!なんてとてもとても…たった6年後の未来を予想できないなんて経営者失格だと言われてしまいそうですが、それはそれでしょうがないんじゃないかなと割り切ってしまっています。
というのも、今から6年前の2008年。僕はただの中古車販売会社の社長でしかなく、しかも年商は今の100分の1以下でした。いわゆる、零細企業の中でも零細な企業の社長です。社会的な信用なんて一般の新入社員以下。誰も僕なんて相手にしてくれません。あの頃の僕に、今の僕の姿が想像できていたでしょうか。いや、とてもできません。
2008年から6年後の現在、経営・運営している会社は50社を超え、進出している国は9か国。手を出している事業も中古車販売業だけでなく農園経営や建設業、鉱物取引や広告会社など多岐にわたります。ついでに農業大学の理事なんかもやったりします。
きっとこういった形でアフリカでビジネスをしている人ってほとんどいないんで、大臣から表彰されたりしたんじゃないでしょうか。大臣から表彰され、経済産業省主催のセミナーの資料の中に僕が登場したり、JETRO(日本貿易振興機構)の中で紹介されたりしていると、大企業からの問い合わせもかなり多くなってきます。現在では、自分自身のビジネスに加え、そういった企業のお手伝いを微力ながらさせていただいているような感じです。ありがたいです。