上阪徹の"ブックライター"式ワークスタイル~仕事場編~
デスクも画面も大きいほうがいい

上阪 徹 プロフィール

最近ではこうした「ノートで資料を挟み込んで管理する」という手法を、デジタルでも少しずつ行っている。Lサイズスマホで、テーマごとにスマホ内に"ノート"を作ることができる機能があるのだ。言ってみれば、スマホの中に何冊ものノートを入れられる、ということ。それが、一覧で管理できる。もちろん取材メモのノートにするわけにはいかないが、その案件に関わる情報を、案件ごとの"ノート"に記録しておくことで、簡単に情報を取り出せるのである。

例えば、企業に取材に行くとき、会社情報などはプリントアウトして持っていくようにしていた。取材先でわざわざパソコンを開いてブラウズする時間は取材中にない。しかし、Lサイズスマホで画面をキャプチャーし、会社情報のページを"ノート"に保存しておけば、すぐに取り出せる。しかも、その案件の "ノート"なので、他の取材に必要な情報も保存しておける。

さらにありがたいのは、Lサイズスマホは専用カバーをつければ、手帳のように見えることだ。取材中にスマホに触れると、取材対象者に「スマホをいじっている」ように見えるのではないかという懸念を私は持っている。スマホとはそういう存在、というイメージを持つ取材対象者もいるのだ。しかし、カバーをつけ手帳のように見えるLサイズスマホなら、そんな不安はいらない。ペンを手にしていると、手帳をめくっているかのように見えるからだ。

書籍の取材ではよく取材後に次回の取材日程を打ち合わせるが、そのときにもちょっとしたメモを手書きで"ノート"に残すことができる。取材中にカメラで撮った資料なども同様。取材対象者が図版などを手書きでささっと書く、なんてことは珍しいことではない。だが、せっかく写真で撮っても、写真フォルダには大量の写真があって、なかなか必要なものが取り出せないこともあるが、案件ごとに"ノート"で管理してあれば、すぐに見つけ出せる。また、必要なファイルはあっという間にメールで送ることができてしまうので、発注者である編集者との情報共有もしやすいのだ。

大量の仕事をこなせるようになるにはどうすればいいですか、と問われることがあるが、私はいつもこう答えることにしている。仕事に取りかかる前に、どうすれば最も効率的にできるかを考えてから取り組むといいですよ、と。そのほんのちょっとの時間が、結果的に効率をよくする。そしてそれが積み重なっていくと、自分らしい効率的な仕事スタイルができあがっていくのだと思う。

(後編に続く)

上阪徹(うえさか・とおる)
1966年、兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、95年からフリーランスのライターとして独立し、雑誌や書籍などで執筆。経営、経済、金融、ベンチャー、就職などの最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論をわかりやすく伝えるインタビュー、執筆を得意とする。取材相手は3000人を超える。インタビュー集にベストセラーとなった『プロ論』(徳間書店)、外資系トップの仕事力』(ダイヤモンド社)ほか。自著に『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『リブセンス<生きる意味>』(日経BP)、『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』(飛鳥新社)などがある。

著者: 上阪徹
職業、ブックライター。
(講談社、税込み1,575円)
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