今年も、年間約600軒、2000皿に近い料理を食べてきた。その中で多くの美食と出会えた。料理から刺激と幸福を受け、気が動くのはなんとも愉快で、また多くの優れた料理人の考えに啓発され学ばされた。
その中で恐れ多くも、ベスト10を考えてみたい。
2013年の極私的美食ベスト10(東京編)前編である。
第10位は、以前こちらでも紹介した、赤坂のイタリアン『ヴァッカロッサ』。輻射熱ができない特殊設計の炉を作り、薪の熾火で野菜、肉、魚を焼く。中でも土佐赤牛を使った、「ビステッカ・アッラ・トッサーナ」が素晴らしい。
赤牛の中でも繊維が細くたくましく密になった、「ザ・肉」といえる凛々しい味で、食べた瞬間肉から「噛めっ」と叫ばれているような感覚に陥る。刺しの入った黒毛和牛ではなく、赤身肉が注目されるにつれ、間違いなくクローズアップされる店である。肉好き、ステーキ好きなら急げ。・・・・・・この続きは『現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン』vol056(2013年12月18日配信)に収録しています。