サラリーマン読み物 武田薬品に外国人社長英語ができない中堅幹部はどうなるのか?

週刊現代 プロフィール

「コーポレート・オフィサーと呼ばれる幹部の過半数は外国人で、すでに取締役会はすべて英語で行われています。5~6年前から、役員の指示には、一般社員もすべて英語で対応することになっている。TOEICで800点取る社員はザラにいますし、900点以上の者も多い。英語ができない人間はますます肩身が狭くなってきているんです」(同中堅幹部)

社長が外国人になったからといって、影響を受けるのは、社長と直接やりとりする役員だけで、中間管理職や現場の平社員は英語ができなくても関係ないと思っていると、悲惨な目にあう。外国人社長は、当然部長クラスにも側近の外国人を連れてくる。そのため、社内のメールや電話も英語になるのだ。

部下にナメられるかも

'11年4月にウッドフォード氏が社長に就任したオリンパスの社員が語る。

「電話を取るといきなり、英語でまくしたてられ、訳が分からず電話を切ってしまいました。あとで聞いたら新任の外国人上司からの電話だったみたいで、こっぴどく叱られました」

'01年にゴーン氏をCEOに迎えた日産も、いまや英語力は昇進のためだけでなく、日常業務をこなすうえでも必要不可欠なものとなっている。同社の中堅幹部が語る。

「ゴーン社長が来てから、図面まで英語表記に変わりました。TOEICで主任クラスなら450点、課長補佐で550点、課長以上なら650点以上は必要です。海外赴任するにも500点以上ないとダメ。もし達しなかったら、海外赴任ではなく、『出張』扱いとなって家族の同行も許されません。家屋も車も支給されず、ホテル暮らしを強いられる。それが嫌なら、必死になって英語を勉強するしかないんです」

英語が大の苦手という日産の別の中堅幹部社員からは、こんな嘆き節が聞こえてくる。

「私は自動車が大好きでこの会社に入ったんですが、英語は大学時代からまったくできませんでした。それでも、最初のうちは出世に響くからと言われて、退勤後に会社が用意した英会話教室に通っていました。費用は週1回、半年のコースで5万円ほどです。受講者は英語の苦手な人ばかりでしたが、いつの間にか一人減り、二人減りして、そのうち私も辞めてしまった。もう出世はあきらめました」

'96年のウォレス社長を皮切りに、当時資本提携していた米フォード社から、4人の外国人社長が就任したマツダも、似たような状況だった。

マツダのベテラン社員も、英語が苦手なばかりに、社内で肩身の狭い思いをしていたと告白する。