2013.12.18
# 本

「再犯を減らすためには、マスコミと市民が変わらなくてはいけません」 ホリエモンが語る刑務所からの"社会復帰" 岡本茂樹 × 堀江貴文 【後編】

マスコミが日本における厳罰化を進めている

堀江: なんでヨーロッパとかだと逆に、EUに加盟する時、基本的には死刑はなくなるわけじゃないですか。そのような方向で、厳罰化でない方向に進んでると思うんですけど、なんで日本だけ厳罰化が進んでるのかすごく疑問です。

例えば僕の場合、証券取引法違反の懲役の上限は5年だったんですよ。ライブドア事件の最中に国会で金融商品取引法が成立して。懲役の上限が10年に伸びたんですが、同じようなことが結構起こっています。

その他にも、例えば著作権法の違反の上限も、あれは著作権団体のロビー活動かなんか知りませんが、5年から10年に伸びたじゃないですか。そういうのも含めて、なんか犯罪者を増やす方向に進めようとしてるっていうのは何なんですかね。

岡本: それははっきりしています。マスコミです。

堀江: マスコミのネタづくりってことですか?

岡本: これは被害者遺族にとっては厳罰化にしてほしいというのは僕も共感できるのですが、それは加害者の支援をするという立場で言えばたぶん堀江さんのケースにしても、堀江さんが有名だったからこうなったんじゃないかと僕は思います。

つまり、報道の問題で被害者サイドに焦点を当てるから厳罰化の方向に誘導されていったというのは明らかです。例えば少年犯罪について言うと、酒鬼薔薇事件から一気に少年法や刑罰が重くなっていたわけですね。ほかにもバスジャック事件とか、ああいうものをマスコミが取り上げていった。少年犯罪でいうと、戦後や戦後10年くらい経ってから、日本の少年たちは448人ぐらい殺してるんですよね。

しかし、その時にはニュースにならないわけです。なぜかというと、1日1人以上殺してることになりますよね。変な言い方ですが、当たり前になるわけです。現在は、少年犯罪の数が少ないから逆に目立つんです。目立つから取り上げるわけですよ。取り上げて、なぜだろうという形になって、新聞もよく売れるし、テレビでも報道される。

堀江: 僕の場合もたぶんそれは言えますね。ライブドア事件の話は、結構異例なんですよ。普通、検察は生きてる会社に入らないですよね。例えば、粉飾決算やっていたとします。粉飾って実際にはない売り上げを作り出すのですが、利益が出ていなくて銀行から金借りられなくなって、黒字を作り出すためにやるというのが、これまでの粉飾決算のパターンでした。

民事再生法を申請して潰れた会社などはそういうところに入るんですよね。会社がつぶれてるから、株主は被害を受けてる。だから、検察が入ることで被害者が増えることはないわけです。上場企業とかには普通、立入しないんですよね。

当時のライブドアはキャッシュが2000億円以上あって、優良企業でした。業績も伸びる予定だったし。実際に粉飾決算の容疑でやられたのは2004年なので2年も前の話、直近の決算は何も問題がなかったのですが、それをやるというのは「つぶしてやる」という強いメッセージじゃないですか。

ガサが入った時、株価は500円台だったのですが、そこから連日ストップ安で、最後70円くらいまでになった。でも、現金相当額は2000億円くらいあったので、企業価値は更に高い、300円分くらいあったはずなんです。それを捜査が入ったものだから、株価が下がって、その後株主と裁判になり、和解するから和解金を払わなくてはならなくなっていきました。

実際のライブドアの企業価値より下がるスパイラル現象が起きたんです。なんで、そこであえてハードランディングさせる必要があったのか。株主保護の意味でいうと疑問です。検察は通常、株価を落ち着かせるために金曜日の夜に入るんですよ。市場は土日に休みだから、その間に冷静になって考えるので、株価の下落はある程度押さえられます。

でもライブドアの場合は月曜に入ったから、火水木金と結構落ちて、連続ストップベースになり、1時間しか取引できない日が何日もあった。それに拍車をかけるようにみんなが損したので、僕はほぼ全財産をはたいて、皆さんと和解したんです。検察と特捜部は、単純にセンセーショナルに、社会的に「アイツ、叩いたら面白そう」というのを狙って叩いています。マスコミもそれを煽るし、共同で「祭り」を作って、犯罪者を作るところが何にでも言えるのかなと思います。

犯罪者をマスコミや検察、警察が一緒くたになって作り上げているという問題点があるからこそ刑務所に入ってる受刑者も反省をしない。その辺りを含めて、改善をするにはどうしたらいいのか、答えが見つからないんですが、どうですか?

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