2013.12.18
# 本

「再犯を減らすためには、マスコミと市民が変わらなくてはいけません」 ホリエモンが語る刑務所からの"社会復帰" 岡本茂樹 × 堀江貴文 【後編】

出所が近い人ほどいろいろなプログラムが用意されている

大谷: そのループからなかなか抜け出せないのですね。社会復帰の観点で言うと、どうですか?

ここを出たら新しい仕事に就きたいとか、ビジネスを始めたい人にとっては、その意味でも難しいところがあると思います。しかし、どうすればそういう人たちが出所してから社会に戻っていけるのでしょうか?

堀江: 僕の上司だった受刑者は嫌なヤツで。僕の刑務所生活はそいつとどう付き合うかが、最大のテーマでした。そいつがいなければ楽だったと思います。

彼は、30代女性の部屋に忍び込んで、金目のものを物色していたら、その人が起きてしまって、仕方なく持っていた縄で縛って、キャッシュカードでお金を下ろして懲役6年という緊縛強盗で捕まっていた人でした。その人、すごく性格が悪いんですよ。

岡本: 裏表がある?

堀江: 裏表はないんですが、メチャクチャ細かいんすよ。例えば、技官といって、工場の作業を教えたりする刑務官がいるんですが、僕はどちらかというと、指導補助といって、工場で作業する人に教える係をやっていたんで、その手法を教わったりするんです。

でも、いちいちその人に、超細かいことまで報告しないと、すぐ切れていました。僕に対してはそうでもなかったんですが、僕の1つ先輩の受刑者はいじめられっこで、ずっと立たされて、ずっと嫌みを言われていました。

その人は確かによく作業をミスっていたんですが、延々といじめられていて。刑務官もそれを見て見ぬ振りでした。最終的に、その人は「衛生係やめたいです、一般工にしてください」と言って、一般工扱いになってましたね。

その人は陰湿で、見た目もいかついので怖いんですが、会社をクビになったらしんですよ。それでマンションに住めなくなり、住んでいたマンションのオートロックを壊して、別の部屋の女性の家に入ったみたいな。

「普通の会社で働けないんだよ」「今川焼き屋をやろう」「屋台をやりたい」とか言ってましたけど。「それはそれで大変だと思いますよ」なんて言ったりして。そういう人たちが社会復帰してできる仕事はなんなんですかね。たとえばプログラミングとかを教えたりしないんですかね?

喜連川社会復帰促進センターなんかでが用いた刑務作業をやってるんですよ。集英社・小学館プロダクションが入って支援をしていますが、他ではほとんどそういう事例は聞きません。そういうのをもっとやればいいのにと思いますが、長野刑務所は、すごい古いWindowsパソコンが4台あるだけでした。

もちろん、コンピュータ教育もやっていました。うちの工場は、高齢者にパソコンを教えるという意味で、パソコンを触る時間が週に1回ありました。4台しかないから4人だけ、特打みたいなのでタイピングをずっとやっているという。

岡本: 長野刑務所はまだいいほうだと思いますよ。堀江さんが仰ったような刑務所は、PFI刑務所と言います。限りなく再犯の恐れがないスーパーA指標の人を収容しているPFI刑務所では、そういう実践がされています。

出所が近い人ほど教育とかプログラムが用意されています。刑務所っていうのは、AとBと分かれていて、Aは刑期が短くて初犯、Bは累犯、窃盗、覚醒剤とかになってきます。「L(Long)」がついて10年以上になったらLA、LBになってきて、出所がずっと長くなってくるのにそこには何もしていないに等しいです。被害者の手記を読ませたりとか、ビデオ見せたりとか、それぐらいのことはしていますけれども。非常に矛盾しているんです。

本当は重い犯罪をした人ほど手厚いケアをしないといけないのに、ほったらかし状態で、出所が近い人ほど手厚いとまでは言いきれないんですが、いろいろなプログラムが用意されているという現状があります。

関連記事