国立大教員の「年俸制」導入でどうなるのか

〔PHOTO〕gettyimages

文科省が国立大学の改革プランを発表したが、その中で、教員の給与システムに「年俸制」を導入することが謳われて話題になっている。下村博文文科相が目指すのは国際競争力のある大学像であり、そのために教員たちのぬるま湯体質を是正したいのだろう。

これまで国立大の偉い先生方は、民間企業に対して「国際競争力をつけるには、従来の年功序列賃金ではなく実力主義の年俸制を導入すべき」と言ってきた。そして、そのためには業績評価が重要だ、と。多くの企業は、やむを得ずその流れに従ってきた。ところが、それがブーメランとなって、国立大の教員にまではね返ってきたのだ。

大学は、官僚にとっての「最後のパラダイス」と言われている。かつては国家公務員になると天下りが保証され、優雅な老後が待っていたが、最近では徐々に厳しくなってきた。それでも、いまだに大学に天下りをするのは楽勝といわれる。というのは、大学の教員は狭い世界にいて世間知らずなので、もともと学生時代に勉強のできた官僚であれば、退職後でも大学教員なら簡単にこなせるというわけだ。

大学は典型的な年功序列社会だ。いったん入ったら、ろくに業績がなくても、上の教授に睨まれなければ、歳をとるだけ偉くなれる。ある年齢になると、もう研究論文を書かない人も多い。講義も毎年同じで工夫のない人もいる。その一方、滅多なことでは降格もない。国際社会でも活躍できる大学の教員は、日本全国で5%もいないと言われている。大学は日本の中で最も国際競争力の欠如した「業界」といわれる所以だ。

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