『君に友だちはいらない』著者・瀧本哲史氏が語った
現代を生き延びるための、本当の仲間づくり=”チーム・アプローチ”の必要性

それに対して「ダメなチーム(ありがちなチーム)」では、役職や年次でメンバーが選ばれ、必要以上の人数がいる。一度チームの一員となれば、基本的にクビになることも、能力の高い別の人にその地位を脅かされることもない。責任の所在が曖昧で、「仕事はやったふり」「仕事をしたつもり」でも問題とならない。えてしてそういう組織ほど、外部から他力本願的に有識者を招いて知見を求めたり、ビジネス書で読みかじった「SWOT分析」などの「コンサルタントごっこ」にうつつを抜かす。

このような「ダメなチーム」は日本のあらゆる組織に見ることができるだろう。

現在の日本の企業が直面する問題も、そのほとんどが前例がなく、どういう取り組みをすればいいか簡単にはわからない。チームアプローチの考え方は、すべての組織に今こそ必要とされているものなのだ。

瀧本氏も自らのキャリアを「やりたい仕事、属したい組織がなければ、それを作るほかない」という姿勢で作ってきた。そのなかでこのチームアプローチの考え方が非常に役に立ったという。

「チーム」に集まる人々のポテンシャルを見て、その将来に賭ける

瀧本氏は現在、京都大学で若い学生たちに「起業論」「交渉論」などを教えながら、エンジェル投資家として国内外の優良ベンチャー企業を育てることを仕事としている。エンジェル投資とは、自己資金を「事業アイディアと創業者しかいない」ような極めて初期ステージ、できたてホヤホヤのベンチャー企業に投資するという仕事だ。

ベンチャー企業の黎明期では、事業テーマや商品が時流に合わせて変化していくことは珍しくない。そのため株式投資などとは違い、エンジェル投資では「その会社がどんな事業をやろうとしているのか」という「テーマ」ではなく、その会社に集まる人々のポテンシャルを見て、その「チーム」が将来成功するかどうかに賭ける必要がある。

「つまり人に投資すること自体が私のメインの仕事なんです」

そう言う瀧本氏は、その経験を通じて、これまでずっと人を観察し、どんな「チーム」であれば成功できるか、身銭を切って学んできたのだ。

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