[BCリーグ]
石川・森慎二監督「“切り替え”によってつかんだ勢い」

スポーツコミュニケーションズ

“無傷の3連勝”を生んだサンチェスの一発

 そして1週間後、新潟が待つリーグチャンピオンシップに臨みました。下馬評では新潟が圧倒的に有利とされていました。それもそのはずです。今季の対戦成績は新潟の6勝2敗。後期に限ってはミリオンスターズは新潟に4連敗を喫していたのです。ところが、大方の予想を裏切り、結果はミリオンスターズが無傷の3連勝で一気に2年ぶりの優勝を決めました。

 最大のポイントとなったのは、やはり初戦だったと思います。新潟の先発は最多勝、最優秀防御率の2冠に輝いたエースの寺田哲也(作新学院高-作新学院大)。ミリオンスターズは寺田にいいようにやられてきました。ところが、その寺田からミリオンスターズは初回に2点を先制したのです。これは両者にとって、非常に大きな2点でした。

 打ったのは3番・サンチェス(ベネズエラ)。1死一塁の場面で打席が回ってきたサンチェスは、寺田の初球を左中間のスタンドに運んだのです。実は他の打者とは違い、サンチェスは寺田に対して苦手意識はまったくありませんでした。なぜなら、シーズン途中で加入したため、寺田とは一度も対戦したことがなかったのです。

 試合前、サンチェスは私に「寺田はどういうピッチャーなのか教えてくれ」と聞きに来ました。そこで私は「初球は必ず真っ直ぐでストライクを取りに来るから」と言ったのです。すると、サンチェスはその通り初球を狙いにいき、見事に先制2ランを放ったのです。これには私も驚きを隠せませんでした。

 この2点で勢いづいたミリオンスターズとは裏腹に、新潟のショックは大きかったと思います。まさかエースの寺田が初回にホームランで失点するとは思ってもみなかったでしょうからね。ミリオンスターズは2回以降は追加点をあげることができなかったものの、南、マルティネス、木田が新潟打線を1失点に抑え、初戦をモノにしました。

 実はこの試合の途中から、なんとなく新潟のベンチは元気がなかったように感じていました。今思えば、新潟はプレーオフでのミリオンスターズに嫌なイメージを持っていたのかもしれません。というのも、2年前もレギュラーシーズンでは1勝6敗と新潟に大きく負け越していたミリオンスターズが、リーグチャンピオンシップでは初戦こそ落としたものの、2戦目から3連勝したのです。新潟はその2年前とメンバーがほとんど変わっていませんから、その時のことが無意識にあったのかもしれません。

 いずれにせよ、初戦を制したことでミリオンスターズは勢いに乗りました。2戦目も取って王手をかけると、3戦目は3-0と完封勝ちを収めて、2年ぶり4度目のリーグ優勝を決めたのです。