犯罪者は数学が逃さない! 連続事件の犯人、解決の糸口は電卓!?

~犯罪者プロファイリングのプロに聞く~
関西国際大学人間科学部教授
桐生正幸先生

山形県警察本部科学捜査研究所主任研究官としてプロファイリングに携わり、現在、関西国際大学人間科学部教授。日本犯罪心理学会理事、防犯・防災研究所所長などを務める。

犯罪者プロファイリングとは・・・?

松尾貴史(以下、松尾) 桐生正幸先生のご専門はプロファイリングとのことですが、この言葉は、ここ10年ぐらいで一般的によく知られるようになりましたね。

桐生正幸(以下、桐生) そうですね。もともと「プロフィール(横顔・人物像)」という言葉があり、そこに「イング(ing)」がついたんですね。最初は「横顔を描く」という意味だったのですが、徐々に分類してゆくといったニュアンスに変わってきたんです。

今ではプロファイリングというと、その上にDNAとかケミカルとか、さまざまな用語がついたプロファイリングが一般的になっています。そこで、犯罪心理学で使う場合は「犯罪者プロファイリング」ということになります。

岡村仁美アナウンサー(以下、岡村) へ~。

松尾犯罪をタイプ別にわけるということなのでしょうか?

桐生 そうですね。ザックリいいますと、過去のデータを分類して、今起きている事件にいちばん近いタイプはどれだろうと見てゆくのが犯罪者プロファイリングです。

松尾 傾向を読み解いて、犯罪捜査の手助けになるような、一つの知恵を探るということですね。

桐生 そのとおりです。

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松尾 たとえば、よく松本清張の推理小説に「こういう訛(なま)りがありました」といった特徴から、犯人像を狭めていくというシーンがあったりしますけど?

桐生 ええ。しかし、実は今の「犯罪者プロファイリング」の考え方では、犯罪者の情報だけではダメだという立場なんです。

松尾 なるほど。

桐生 当然、犯罪者がいて、被害者、もしくは被害対象となる物、これら二つがあわさることによって犯罪が発生します。これに抑止効果として、目撃者などのいわゆる「監視」という人的要因。

そしてもう一つ、空間要因、時間や場所といった要因ですね。これらすべてが加わることによってはじめて、犯罪事象が説明できるというモデルを元にしてやっているんですね。

松尾 はい。

桐生 ですので、犯罪者そのものに特化した情報分析では十分とはいえません。実際には、今あるデータベースには、犯罪者の情報と同じぐらい、被害者や発生場所、発生時間、そういった情報も入っていて、総合的に分類しているんです。

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