11月15日、全国で狩猟が解禁となった。
これからレストランには、さまざまな鳥獣類が登場する。
エゾシカ、本州鹿、猪、アナグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、青首鴨、雷鳥、ヤマシギ、野兎、キジ、山鶉、野鳩などなど。
20年前までは一部の店に限られていたが、輸入冷蔵技術の発達や、北海道の鹿処理工場の新設、冷蔵流通の発達などにより、フレンチだけでなく、イタリアン、和食、中華、はては居酒屋まで、多くの店が扱えるようになった。
ご存知のようにジビエ(gibier)とはフランス語で、猟によって捕獲された天然の野獣類のことを指す。もともとは、「鷹狩(ハヤブサを用いていた)」という意味のフランク語“gabaiti”が語源で、中世には「狩」の意味であったという。
フランス料理では、「フェザンタージュ(Faisandage)」といって、獲った野獣類を2~3日、時には1週間以上熟成させて、香りと味を高めてから食べる。これはキジのフェザンというフランス語の由来し、淡泊な味の生地を熟成させて味わったことから名前がついた。
ジビエの入手方法としては、(1)業者から仕入れる。(2)猟師から仕入れる。(3)料理人自らが捕獲する。という大まかな3つのルートが存在する。
単にジビエといっても、天然のものがゆえに個体差が激しい。
どこの産地か?なにを主体として食べて育ってきたか?(特にクマや猪などの雑食性大型哺乳類の場合)、健康か否か?何歳くらいか?時期、また、雄か雌か?さらには子供を産んでいるのかいないのか?といった動物側の天然条件に加え、どこを撃ったか、その後の処理は適切か?といった諸条件によって、味わいが大幅に違ってくる。
つまり、魚の世界同様、シェフの目利きが確かな店でないと、おいしいジビエには出会えないのである。・・・・・・この続きは『現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン』vol054(2014年11月27日配信)に収録されています。