特定秘密保護法案の審議がヤマ場を迎えている。みんなの党に続き、日本維新の会も自民、公明の与党と修正協議で合意し、臨時国会での法案成立が確実な見通しになった。
この問題をどう考えるか。
多くのジャーナリストやマスコミはこの法案に反対している。私は外交や安全保障、防衛分野で秘密があるのは当然だと思う。それでも、法案は多くの問題を抱えている。ここは時間をかけて、12月6日までの国会会期を延長するか継続審議にして、しっかり議論を尽くすべきではないか。
外交や安全保障、防衛にかかわる秘密保持と国民への情報公開をどうバランスさせるか、は民主主義国家にとって重要な問題だ。
これについては、世界70カ国以上の500人以上の専門家が討議してまとめた「ツワネ原則」と呼ばれる考え方がある。いわば国際標準といってもいい。
ツワネ原則は14回にわたる討議の末、ことし6月に南アフリカの首都ツワネで合意されたので、この名が付いた。上記のサイトに計15項目の要約ポイントが列挙されているので、詳しくはそちらを参照していただきたいが、重要と思われる点を紹介しよう。
まず「人々は政府の情報にアクセスする権利を有する」としたうえで「安全保障分野や諜報機関(intelligence authorities)を含めて、いかなる政府機関も情報公開の必要性から免除されることはない」と言い切っている。
そして「安全保障分野には独立した監視機関(independent oversight bodies)が必要であり、その監視機関は効果的な監視のために必要なすべての情報にアクセス可能であるべきである」という。
秘密の期間については「情報は必要な期間だけに限って機密扱いされるべきであり、けっして無期限であってはならない。機密扱いをする最長期間は法律で定めるべきである」とした。
さらに「機密解除を求める明確な手続きが必要であり、とくに公益にかかわる情報の機密解除については優先的な手続きが必要である」と記した。