財務省が語らない「借金」問題

財務省の最新の発表によると、「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」が1011兆円を突破した。メディアは「国の借金」が過去最大額になったと騒ぎ立てている。しかし、実はこれ以外にも政府からは様々な種類の「国の借金」が発表されていることはあまり注目されていない。

「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」は、財務省理財局が公表している数字だが、同じ財務省主計局からは「国及び地方の長期債務残高」、内閣府からは「国と地方の公債等残高」、「一般政府総債務」が公表されている。

'12年3月末の実績数字はそれぞれ960兆円、895兆円、850兆円、1097兆円と数字も違っている。それぞれがバラバラな定義になっているためだ。

たとえば財務省理財局発表の数字は、普通国債670兆円、財投債111兆円、借入金等62兆円、政府短期証券117兆円を合計して960兆円となる。一方で主計局の数字は、普通国債670兆円、借入金等25兆円、地方債務200兆円の合計で895兆円だ。

理財局は、財投債や政府短期証券をカウントし、地方債務はカウントしていない。主計局は、財投債や政府短期証券をカウントせず、地方債務をカウントする。借入金等の数値は理財局が主計局より大きいが、主計局はその差の多くを地方債務とカウントしている。

いずれにしても、普通国債はわかるとして、財投債、借入金、政府短期証券はあまり聞いたことがないという人も多いだろう。政府はそれらをどのように使い分けているのか。

財投債は、政府系金融機関や特殊法人などへ資金を流すための調達方法で、見かけ上は普通国債と全く区別がない。

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