[ボクシング]
杉浦大介「チャーリー太田と八王子中屋ジムは世界の階段を昇れるか」

スポーツコミュニケーションズ

本場でのアピールも上々

「チャーリー太田は上昇中のスーパーウェルター級ボクサーだ。(ルイス戦では)積極的かつ堅実な戦いぶりで、世界タイトル挑戦に近づいていることを印象づけた。ハードパンチをクリーンヒットし続けただけに、第6ラウンド終了時点でルイス陣営が棄権していても誰も驚かなかったはず。試合後、ディベラはあともう1戦をこなした後に太田を世界タイトルに挑戦させるシナリオに言及した。その場合には、WBO王座を獲得したばかりのデメトリアス・アンドレイドが標的になると言う」(ESPN .com)

「チャーリー太田はルイスを8ラウンドに渡って圧倒したが、ルイスがダウンすることはなく、試合は2-0の判定に。より的を射た78-74 、77-55という2人のジャッジの採点のおかげで、76-76という1人のスコアが問題になることはなかった。珍しく日本国外で試合を行なった太田は支配的で、ほぼすべてのラウンドでルイスにダメージを与え、ストップがかかっても不思議はない場面も何度もあった。2-0とはいえ太田には価値のある勝利。近い未来にスーパーウェルター級の世界タイトルに挑むことになるかもしれない」(Fightnews.com)

相手は地元選手だけに雰囲気は”敵地”だったが、コーナーも冷静に仕事を果たした。Photo By Kotaro Ohashi

 米国内のメジャー媒体も、上記のように揃ってチャーリーの最新試合に好意的な見方をしていた。この高評価を中屋ジム陣営は少々不思議がっていたが、アメリカでは特に台頭中のボクサーに対してはエンターテイメント性を求めるもの。多少粗っぽくとも、この日のチャーリーの戦いぶりからは本場にアピールしたいという想いが感じられた。ポイントを奪っていても最後まで攻め抜いたことで、その気概がファン、メディアにも伝わったのだろう。

 さらに、リング上で簡単な日本語を披露したことも、ユニークなキャラクターを印象づけられたという意味で大きかったはず。いつも正直なディベラ氏のリング上での笑顔、近未来の世界タイトル挑戦の“公約”も、決してリップサービスではなかったのではないか。

 昨年3月のニューヨークでの初試合では、7ラウンドTKO勝ちは飾ったものの、慎重過ぎる姿勢ゆえにアピールし切れなかった。今年の2~3月には2戦連続でアメリカでのファイトが直前キャンセルされるという不運も味わった。楽な道のりではなかったが、今回の再チャレンジは成功だった。

「タイトルホルダーと戦いたい。そんな目標を現実のものにするためにも、今は勝ち続けなければならないんだ」
 試合前にそう語ったチャーリー。ただ勝つだけではなく、それ以上を目指したがゆえに、ついにアメリカでも確かな足跡を残すことができたのである。