2013.11.15

「転職=キャリアアップ」という考えは間違いです
『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』著者・塩野誠氏

「ブラック企業」「ホワイト企業」への違和感
塩野 誠 プロフィール

 そこで、私自身が就活の時や社会に出たばかりのころに「知っておきたかった」ことを中心に、20代のみなさんに向けて「これくらいは知っておいたほうがいいよ」といった、社会に出てからの「常識」をまとめてお伝えできればと思ったのが、執筆のきっかけです。

「TOEICは何点ぐらい必要?」

――本書は、就活と転職にまつわる悩みとそれに対する回答の一問一答形式で構成されています。「何のために仕事をするのか?」「天職って本当にあるの?」といった根本的な問いから、「今後盛り上がりそうな業界はどこ?」「TOEICは何点ぐらい必要?」「どんなスキルを身につけておけば社会で役立つ?」「生涯賃金はいくらぐらい?」といった素朴な疑問まで、幅広く並んでいます。

塩野 TOEICの件でいいますと、誰でも知っているような有名企業の最初の門を開けるためには、点数が本当に低いというのは現実問題として不利になります。就活でそれなりに評価されるのは800点以上ですが、だからといって900点取るための努力をしたところで、実践的な英語力として仕事に役立つかというと目的と手段が逆になってしまう可能性があります。

 ちなみに、就活に際してなぜ企業側がTOEICの点数を重視しているのかというと、学生に対して高い語学力を求めていても、英語で面接を行えるほど英語力を兼ね備えた社員(面接官)が少ないことも一因です。

 また、もしみなさんが将来転職をしようとした場合、「TOEICの点数が〇点です」とアピールするより、「英語を使ってこういう案件をまとめました」と仕事の実績を話したほうが、採用する側にしてみればずっと好印象なのが実態です。高得点を取るために頑張るのはとてもいいことですが、本来の目的は英語で仕事をうまく進めることなので、点数に一喜一憂する必要はなく、積極的に仕事で英語を使う方が大切です。