池上彰×津田大介 【第3回】SNS時代のメディアの役割と「ポリタス」が変える政治の未来

共著『メディアの仕組み』記念対談

戸別訪問は日本でも解禁すべき

津田: 結局今までの参議院の全国比例区って、タレント候補かもしくは元スポーツ選手か、もしくは宗教団体の応援があるという、そういう人しか当選しなかったのが、新しいところで可能性が出てくるのはネット選挙で、参議院の全国比例区だけは議員が出てくるんじゃないかという気がするんですが、池上さんは今回のネット選挙解禁をどう見ておられますか?

池上: あまりに日本の選挙って禁止していることが多すぎて・・・。だって、それこそ候補者が普段やっているWEBサイトやブログの更新までいけないなんてのは、何を考えているんだろう、と思っていたから、それを解禁するのは言ってみれば当たり前のことですよね。さらに言うと、日本の場合はなんであんなふうに選挙カーに乗って拡声器でガーガーやっているのかというと、戸別訪問が禁止されているからなんですね。

津田: そうなんですよ。今もらったコメントでも「もう名前の連呼はやめろよ」というのがあったんですが、公職選挙法のせいなんですからね。あれは本人が乗っていない選挙カーだと、名前以外に政策なんかを訴えてはいけないんですよ。名前しか言っちゃいけないと決まっているから、連呼になってしまうんですね。

池上: そうですね。たとえばイギリスにしてもアメリカにしても、運動員が戸別訪問をするわけですね。それで政策集のパンフレットを持って「ぜひ読んでください」と言って説得をして回るわけでしょう。だから選挙カーで名前を連呼なんてあり得ないわけですね。日本ではそれが禁止されているから、候補者としても何とかしなければならない、とにかく有権者を回りたい、でもそのときに一軒一軒訪ねていくと違反になっちゃうから、どこかに支持者に来てもらってそこで話をするか、あとは選挙カーで名前を連呼するしかなくなっちゃうんですよ。