これから楽しみな女性起業家の方に経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘が話をうかがう本連載の第九回目は、食べもの由来の化粧品を開発し、福岡から日米に提供している株式会社ANECCAの北川幸奈社長の登場です。
お肌に食べさせるごちそう、つまり食べものからつくった美しく健康でいるためのデリシャスコスメ(delicious cosme=おいしい化粧品)を提供しています。米国のオーガニック商品に疑問を持ち、鹿児島産のサツマイモ、利尻産のコンブなどお野菜や果物からできた基礎化粧品、こんにゃくでできたスポンジなどを商品開発し、販売しています。
よい商品は世の中にたくさんありますが、自分に合わないという人もいます。沁みて使いづらいとか、化粧品ジプシーは少なくない。それに、これも塗っとけ、洗っとけとやられても、皮膚は薄いしデリケートですから、トラブルを起こしかねません。負のスパイラルと呼んでいますが、隠すためにいくつも塗るといっぱい落とさなきゃならないという悪循環になります。つけ過ぎ、洗い過ぎはダメ。シンプルに適度に。化粧品で"必ず"というのはありません。合わないなら、その場でやめていただきたい。お客様はブランドを信じて、沁みたり多少の違和感があっても使い続ける場合もありますが、それは怖いことです。
"絶対"はありませんから、ウチの商品も全員にいいとは言いませんが、トラブルがあったら一回ぜひ使ってもらいたいです。他の商品よりも沁みず、少しでも改善するのであれば継続して下さいと言っています。
デリシャスコスメは、歴史があり大企業が多い化粧品の分野での小さなイノベーションだ。美白化粧品による白斑問題が話題となったばかりだが、何かおかしいと感じるのは筆者だけだろうか。
日本の女性はスキンケアで、かえって敏感肌になっていると指摘する調査結果もある(参考『日本式お手入れは「敏感肌」のもと』日経ウーマンオンライン)。ANECCAはその一つのアンチテーゼとも言えよう。