宇宙へのはじめてのおつかい。その裏側で想像を絶する事件が起こっていた・・・!

~日本中が感動したはやぶさの話~
はやぶさの地球出発イメージイラスト (画像提供:JAXA 以下全点)
JAXA宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所教授
川口淳一郎先生

1955年生まれ、青森県出身。京都大学工学部、東京大学大学院工学系研究科を経て、1983年宇宙科学研究所。現在、JAXA宇宙航空研究開発機構の宇宙科学研究所教授。小惑星探査機はやぶさのプロジェクト・マネージャー

今だから語れる"はやぶさ"秘話

松尾貴史(以下、松尾) 川口淳一郎さんは、小惑星探査機はやぶさのプロジェクト・マネージャーとのことですが、いったいどんな役割をされたのでしょうか?

川口淳一郎(以下、川口) 一般的には予算やスケジュール管理ということになると思うんですけど。このプロジェクトは技術を開発して証明することが使命なので、いちばん大きな役目は、その新しい技術の開発を予定のスケジュールにあわせて完了させるために、技術的な問題を克服することですね。

松尾 さらに、理念や精神的支柱といった役割も大きいんじゃないですか?

川口 たしかに、みなさんにやる気を出していただかなきゃいけないので、それぞれの人の意気込みが通じるように、ベクトルを向けていかなきゃいけませんね。

松尾 はやぶさそのものの役割として、いちばん大きなところはなんだったのでしょう。

川口 よく小惑星に行くことから、小惑星探査機と呼ばれるんですけど、いちばんの目的は、技術を開発して、実際に飛行を証明してみせることです。もっと簡単にいえば、往復してくるということ。もう少しいえば途中下車をして、試料を拾って、戻ってくるということですね。

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はやぶさが試料を取りに向かった小惑星「イトカワ」は平均半径約160mの天体

松尾 あの、イトカワという小惑星が目的地に選ばれたのは、どうしてなんですか?

川口 小惑星って、それこそ星の数ほどあるんですね(笑)。もしかしたら、40万個ぐらいあるかもしれません。

ただ、地球から人工の宇宙船を送って戻ってこられる小惑星は、実は10個か20個しかないんです。で、とにかくいちばん初めの計画だったので、いちばん行きやすいところが対象になったんですね。

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