これからのビジネスマンの働き方を提案する
『ビジネスをつくる仕事』著者・小林敬幸氏インタビュー

小林 敬幸

小林 じつは私が就職したのは1986年で、就職活動をしているときはプラザ合意直後の円高不況、しかも当時は「商社冬の時代」といわれて、もう商社の機能は必要ないんじゃないかといわれていたときだったんですけどね。会社に入ってちょっとしてからバブルが始まるわけですが。

小林敬幸(こばやし たかゆき) 1962年生まれ。1986年東京大学法学部卒業後、大手商社入社。シリコンバレー、及び、マイクロソフト本社(シアトル)での研修、台湾駐在、ライフネット生命保険の前身の企画準備会社であるネットライフ企画株式会社の取締役などを務める。2001年から私人としてネットでの発言を続ける。2004年にForesightに「日本がデジタル家電で勝ちきるために」を掲載、このままでは、台湾・韓国勢に敗れると警鐘を鳴らした。

 ですから入社後も機会があれば、新規事業を主に手がけているセクションに行けるようにアピールはしていました。

――学生時代のときから、これからは従来の仕事のやり方ですと、やっていけないという意識はあったんですか?

小林 もちろん本格的なビジネスを経験していたわけではありませんが、いわゆる人気企業ランキングに載っている企業の多くが、10年後も生き残っているかどうか怪しいなという意識はありました。だから変化に乗っていく意識を持っているところに就職しようと考えていたんです。

財務諸表を読むことより「お金の流れ」を見ろ

――本書の特長として、お金の使い方にしても、お客さんの見方にしても、社内での根回しの方法にしても、どんな業種の企業に勤めていても、すぐに役立つようなことが、すごく具体的で懇切丁寧に書かれていることがあげられると思います。こうしたことは、小林さんご自身が日頃、部下の方々におっしゃっていることなんですか?

小林 一緒に仕事をしている人に日常言っていること、なおかつ彼らに受けたことを書いているという感じですね。そういう意味では、飲み屋で私の話を聞いてくれた人たちのおかげで成り立っている本とも言えますね。(笑)

――ビジネスの戦略を語るのに、麻雀のメンタンピン戦略が出てきたり、囲碁の厚み戦略が出てきたり、と思ったら旧日本軍の戦略の拙さをいまの日本の組織の弱点に当てはめてみたり。例の引き方が具体的なおかつ的確で非常におもしろかったんですが、ビジネスと違うことをしていても、いつも「これはビジネスに使えるなあ」という感じの見方をされているわけですか?