[アイランドリーグ]
香川・伊藤秀範コーチ「年間優勝を逃した痛恨の1球」

スポーツコミュニケーションズ

最多勝・又吉は持ち味を忘れずに

 この経験をバネに、田村にはもう一回り大きく成長してほしいと願っています。来季は彼にとってNPBへ本格的に挑戦する1年になるでしょう。地元出身で周囲の期待は大きく、昨季以上に注目される中でレベルアップした姿を見せなくてはなりません。

 今オフの課題は前回も指摘した球威のアップです。フォームの修正で球速は140キロ台中盤が出るようになったとはいえ、NPBへ行くにはもう少しスピードが必要です。また初速と終速の差が大きく、バッターの手元での伸びを欠きます。その原因はボールの回転数が足りないこと。もともとひじが固く、ムチのようにしならせる投げ方ではないため、スピンがかかりにくいのです。

 ひじの軟らかさは生まれつきの部分もあり、20歳を過ぎて急にしなやかさを身につけるのは簡単ではありません。ならば、ひじの柔軟性も大切にしながら、腕にもっと力をつけてパワーピッチングを極めるのもひとつの方法です。この秋の練習から、彼には上半身のウエイトトレーニングをもっと取り入れるように指示を出しました。この冬、どれだけパワーアップできるか。それが彼の今後の野球人生を左右するはずです。

 又吉は13勝(4敗)をあげ、最多勝に輝きました。NPBスカウトの注目度も高く、24日のドラフト会議が楽しみです。四国で長いシーズンを投げ抜く経験を積めたことは上のレベルでも生きるでしょう。前期は怖いものなしでストレートで押すピッチングだったのが、結果を残して相手からマークされ、疲労も蓄積してきた時にどう対処するか。大きな舞台でいかに自分をコントロールし、いつも通りの感覚で投げられるか……。

 後期は勝てない時期が続き、チャンピオンシップでも0-0の投手戦で先制タイムリーを許し、敗戦投手になりました。いい時ばかりでなく、苦い試合もあり、本人にとっては勉強になったのではないでしょうか。

 NPBはもっとシビアな世界です。どんな状況であれ、最終的には結果を残さなくては生き残れません。又吉にとって一番の武器はサイドから右バッターのインサイドを突くストレートです。自分の持ち味を忘れることなく、さらにそれを生かして活躍してほしいと願っています。

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