メディア報道の真実性を読者はどこで判断すればよいのか

『現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン』---長谷川幸洋「ニュースの思考法」より

記者と取材相手それぞれの思惑

メディアは「真実の報道」や「客観報道」をうたっているが、真実にはさまざまな側面がある。読者、視聴者はメディアの報道をどう受け止めればいいのだろうか。

報道は記者が取材相手から話を聞いて記事にしたり、番組のニュースにまとめたりする作業である。だから、報道は少なくとも記者と取材される人という2人から成り立っている。その際、記者は「真実を客観的に報じよう」と思っていたとしても、必ずしも取材される側は「真実を客観的に伝えてくれ」と思っているわけではない。

つまり、記者と取材相手には、それぞれ違った動機と思惑がある。

読者、視聴者はこの違いをまず、はっきりと認識したほうがいい。ここを最初に間違えてしまうと「報道は真実であり、客観的なものだ」という思い込みを抱いたまま、情報に接することになってしまう。

これは取材される側に立って考えてみれば、すぐ分かるはずだ。あなたが何かの件で記者から取材を受けたとする。たとえば、あなたがだれかを相手に裁判闘争を戦っていて、その事情を記者に話すとすれば、あなたはもちろん「自分の側に理と正義がある」という前提で話すだろう。

裁判の相手側にもそれなりに言い分があるはずだが、あなたは「あちらの話も半分、正しいです」などとは言わないだろう。そんなことを話せば、自分が不利になるだけだ。あなたが企業の広報担当者で自社製品を宣伝するなら、もちろん記者には「この製品がいかにすばらしいか」という話をする。「この製品には、こんな危ない部分があります」なんていう話をするわけがない。

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