最新のIT技術などを展示する「シーテックジャパン」が10月1日、幕張メッセで開幕した。今年のテーマは「スマートイノベーション 明日の暮らしと社会を創る技術力」であり、エネルギー管理システム(HEMS)関連の技術を支えるデバイス技術やスマホなどのモバイル技術などの展示が中心になる。
筆者も見学取材に出向いた。そこで感じたことは、ヘルスケアと最新技術の融合が進んでいるという点だった。高齢化社会が進む日本で大きなビジネスチャンスになるということであろう。
低空飛行とはいえ、業績が回復基調にあるパナソニックやシャープはこれまで「主役級」をはってきたが、両社がどのような展示をするのかにも興味があったため、まず、両社のブースから訪れた。
パナソニックは4Kテレビなどの次世代映像技術を展示の核にしていた。
最初に見た印象は、テレビ中心のビジネスからまだ抜けられないのかと思ったが、こまかく展示を見ていくと、4K映像技術を使って、社会の問題解決につなげていこうという姿勢が感じ取れた。
目を引いたのが医療向け「4Kタブレット」だった。担当者は「20インチで4Kの医療向けタブレットは他社ではまだ商品化できていない」と説明したうえで、「パナソニックは12月から1台45万円で発売する計画」と語った。
X線の画像や薬の処方などを患者にわかりやすく表示できることが特徴のひとつだ。インフォームドコンセントにも活用できる。フラッシュメモリーを使う記憶媒体「SSD」を採用しているため、消費電力も少ない。無線LANやWiFiとつなげることもできて、往診などの際にも便利に活用できるという。
医療機関など向けに積極的に売り込んでいきたい考えだ。パナソニックは津賀一宏社長がBtoBビジネスの強化を打ち出しており、新たな経営方針に沿った商品開発の成果とも言えるのではないか。