2013.09.29
佐々木俊尚「アンビエント・インテリジェンス」へと向かうこれからのロボット
鳥の視覚で地上を見る
そもそもこれからやってくるロボットの世界は、どのようなものになるのだろうか。ロボットというとたいていの人が思い浮かべるのは、人間の形をしたヒューマノイド型のロボットだが、実は未来のロボットはそんなカッコいいものじゃなくて、「ソフトウェアで動くサーモスタット」みたいなものになるんじゃないの?というお話。
これは米メディアのVentureBeatに掲載されていた記事からの引用だが、ロボットの定義は「私たちの眼や耳や手になる」という身体の拡張を具現化するデバイスになるのではないかということが書かれている。たとえばヘリコプター型の小型無人飛行機は、農業従事者の眼となって農地を上から見下ろせるようになる。
今までは、農地は地図でしか見られないか、または高い金額を払って航空写真を撮影するか、あるいは最近だとグーグルマップの航空写真を見るという方法しかなかった。しかしヘリコプター型のロボットを使うことによって、われわれはグーグルマップをリアルタイムにし、超高解像度にかえたような映像を手に入れることができる。これはわれわれの身体(視覚)を拡張し、鳥の視覚を手に入れることになるということだ。