プロ野球特別読み物 あんなに弱かったのに
楽天を変身させた球団社長の告白「野球の素人だから、出来ることもある」

週刊現代 プロフィール

 球団を黒字化するための改革はいろいろとありますが、観客動員数を増やすには、チームが勝つことが一番です。それは今季、たくさんのお客様に来ていただいていることでも再確認できました。ホーム球場のクリネックススタジアムの座席を増設しますが、それでも満員で2万5000人くらいしか入らない。それを甲子園球場や東京ドームのように4万、5万のお客様が入れるようなものにしていくのも目標の一つです。

 チームの成績について言えば、今季だけ良くても意味がありません。選手を長期的に育てるシステムが重要です。現場はどうしても「今年が勝負」となりがちですが、監督やコーチが替わった途端に育成方針が変わるようでは、なかなか若い選手は育ってくれません。「この選手はこういう選手に育てる」という明確な戦略を立て、球団全体で共有する。そうすれば、監督やコーチが替わっても、選手は自分がどこを伸ばせばよいか分かり、モチベーションを保てる。そのための戦略室も作りました。

 また、客観的に人を評価する仕組みを作ることも、われわれフロントの仕事です。ピッチャーが打たれたのはキャッチャーの配球が悪かったからとか、野手がエラーしたからリズムが崩れたとか、言い訳ができるような部分を少しでも減らしていく。もちろん、スカウトやコーチ、球団職員も同様です。

 言い換えれば、長期的に人を育て、それぞれが結果に対して責任を持つ「普通の会社」に近づけていくのが重要だと考えています。

「週刊現代」2013年9月21日・28日号より