アンジェリーナ・ジョリーに乳房切除を決断させた「遺伝子検査」でわかること 心臓病、糖尿病からアルツハイマー、薄毛の確率 編集部員が検査を受けてみた

週刊現代 プロフィール

「本検査では、唾液に含まれる細胞のDNAを抽出し、約100万ヵ所のSNP(一塩基多型)を調べています」(23andMe広報担当)というのだが、SNPとは何か。横浜市立大学医学研究科遺伝学教授・松本直通氏が解説する。

「SNPとは、標準的な塩基配列と比べて、1塩基だけ異なる部分のこと。これは一般の人にもあるのですが、その塩基配列の違い

が、病気のリスクなどに関わっている可能性があるのです」

 この検査では、ある程度特徴がわかってきているSNPを調べることで、遺伝的な特徴を知ることができるのだ。

 それでは、さっそく病気に関する結果から見ていこう。主に気になる項目を抜粋し、次ページの表に記した。

 まず、心臓病の危険がとくに高かったのは、東大卒の秀才、U木記者(24歳)。この編集部に配属されて以降、細身だった体はさらに痩せ細り、半年に一度は大病を患う虚弱体質。先日は、楽しみにしていた夏休みがようやく来たと思ったら手足口病に感染し、生死をさまよいかけた。

 そんなU木に、不整脈の一種、心房細動のリスクが46・9%もあるという結果が出た。

「心房細動を防ぐには、過度の交感神経の緊張を起こさないことです。寝不足、喫煙、精神的なストレスはいけません。過度の塩分摂取や不規則な生活は避けましょう。時々、自分の血圧と脈拍をチェックすることも忘れないでください」(池谷医院院長・池谷敏郎医師)

 とはいえ、週に一度の締め切り日には、食事をするのも忘れて徹夜で原稿に向かい続けるU木。この結果が更なるストレスとならなければいいが。

 乳房切除をしたアンジェリーナ・ジョリーは、遺伝子検査でBRCA1という遺伝子の変異が見つかった。この変異があると、乳がんのリスクが急激に上がることがわかっている。正確には数百のSNPを調べる必要があるのだが、今回の検査では、そのうち3つについて調べられた。幸いにも、全員セーフ。ほっと胸を撫でおろしたのもつかの間、池谷医師は、女性記者・H野(24歳)の結果に目を付けた。

「H野さんは、大腸がんリスクが通常の1・36倍と出ていますね。いま、ただでさえ女性の大腸がんが増えています。食生活の欧米化も原因と言われているので、食事には気を遣って、タバコはやめたほうがいいでしょう」

 H野は、学生時代、陸上部に所属していた体育会系。だが、社会人になってから運動は一切しなくなり、オヤジだらけの職場でやさぐれてしまったのか、タバコまで吸い出していた。