二宮清純「“不吉なジンクス”に挑む楽天・星野監督」

二宮 清純 プロフィール

ジンクスを打ち破るのは神の子!?

 このように、なぜか星野監督は現役時代から短期決戦では勝利の女神に見放され続けています。単なる偶然なのか、確たる理由があるのか、それについては判然としませんが、気になるジンクスではあります。

 そう言えば、日本代表を指揮した北京五輪も星野監督は結果を出せませんでした。「金メダルしかいらない」と豪語して北京に行ったまでは良かったのですが、最終的にはメダルなしに終わってしまいました。

 決勝トーナメントで星野ジャパンは1勝もできませんでした。準決勝の韓国戦に2-6で逆転負けすると、3位決定戦の米国戦でも4-8とゲームをひっくり返されてしまいました。オールプロで臨み、「世界一」を目指しただけに、その采配には厳しい目が向けられました。

 19日現在、楽天は2位・千葉ロッテに8.5ゲーム差をつけています。創設9年目でAクラスすら1度(09年)しかなかったチームを、ここまで成長させた星野監督の手腕は見事です。3球団で優勝を果たした監督となれば、三原脩さん(巨人、西鉄、大洋)、西本幸雄さん(大毎、阪急、近鉄)に次いで史上3人目です。

 問題は自身初となるクライマックスシリーズ(CS)でしょう。優勝すれば第2ステージで1勝のアドバンテージがあるとはいえ、短期決戦での弱さが少々、気になります。CSの難関を越えなければ日本一もありません。

 もっとも今季の楽天には昨季から25連勝中の田中将大投手がいます。「神様、仏様」と並び称された稲尾和久さんが保持していた連勝記録(シーズン、通算)をことごとく塗り替えました。指揮官の不吉なジンクスをも粉砕してしまうのでしょうか……。大いに注目したいところです。