長谷川幸洋「2020年に新聞メディアは生き残っているのか」

〔PHOTO〕gettyimages

「東京開催決定」翌朝に休刊日

2020年の東京オリンピック開催が決まった。五輪の開催はメディアにも大きな影響を与えるだろう。今回は20年にメディア、とりわけ新聞がどうなるか、を考えてみる。

1964年の東京五輪では、新聞をはじめメディア各社が事前に大量の新人を採用した。人海戦術で報道競争に勝ち抜こうとしたのだ。メディアに就職を希望する学生にとっては、五輪はまさに絶好の追い風になった。今回も同じようなことになるだろうか。

私はならないと思う。少なくとも、新聞が人海戦術で速報競争に挑むような事態は起きないだろう。なぜかといえば、新聞はすでに速報競争から完全に脱落してしまったからだ。それは7年後ではなく、2013年の今の時点であきらかである。

東京五輪が決まった翌9日の月曜日、玄関に新聞を取りに行った人は「あれっ」と思ったに違いない。その朝、朝刊はなかった。新聞休刊日だったからだ。新聞社に勤めている私でさえ、その日が休刊日であることを忘れていた。それくらい朝刊に五輪の記事を期待していたのだ。しかし期待は裏切られた。

だが、新聞がなかったからといって困ることがあったか。べつにない。東京五輪決定のニュースはテレビで繰り返し報じられていたし、ネットでもリアルタイムで速報が続いていた。

何十年に1回あるかないかの大ニュース、それも多くの国民が喜ぶ吉報であったにもかかわらず、当日朝の新聞はなかった。しかも1社を除いて、業界横並びで、である。

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