マッキー牧元「新宿でオトナな昼を」

柿傳のホームページ

川端康成がきっかけとなった茶懐石のお店

食べ歩きの仕事をしていると、よく知人から店を聞かれる。おいしい店を教えて下さいと。それではあまりにも漠然とし過ぎるので、たいてい望む地域を聞く。この際に一番困るのが、渋谷と新宿である。

繁華街というのは、放っておいても客が入る可能性が高い。それゆえに店側の気の緩みもあって、いい店が少ないのである。

しかも新宿、渋谷に出向くのは、多くが若者なので、チェーン居酒屋や大手飲食店経営会社の支店が多い。安いのはいいが、お奨めできる個性的な店、ましてや大人が満足できる店が、極端に少ないのである。

まず昼にどこへ行くか。落ち着けて、味が一流で、サービスもいい。そんな店を聞かれたら、真っ先にお奨めするのが、『京懐石 柿傳』である。

茶事の専門職として290年の歴史があり、今でも表千家の茶事を取り仕切る。
新宿駅に隣接するように建つビルの9階には、「新宿に大人の道草の場所を」と川端康成の言葉をきっかけに、谷口吉郎氏設計の素晴らしき茶室がある。

客席は、9階の個室と茶室にて茶懐石を楽しむもよし、8階のテーブル席で気軽に楽しんでもよし。大勢なら6階の古今サロンで集うもよし。

お昼なら、「お楽しみランチ」が4000円。向付(むこうづけ)と煮もの椀がついた「松花堂弁当」が5000円。いずれも、茶懐石の店ならではの旬の食材を生かした心くばりのきいた食事で、食べれば食べるほどに季節への深謝が深くなる。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら